USCPAに興味があるけど、どのぐらい難しいんだろう?今の自分にもできるかな?実際に受験した人の声が聞いてみたいな。
USCPA試験に8ヶ月の独学で合格して、ライセンス取得まで完了しました。今回は僕の受験体験の感想や、「これから受験するなら」っていう目線で受験者にとって有益な情報を提供します。
✔︎この記事の内容
- USCPA試験の学習体験と進め方
- USCPA受験あとの本音(総合的な難易度や合格後のメリット)
✅本記事のコンセプト:筆者のUSCPA受験体験と感想をシェア。読者はUSCPA試験について体験者からの「本音の感想」と「効果的な対策」から、学習や受験に使えそうな情報を入手。USCPA合格の難易度を下げることができる。
現在の筆者について
USCPAに全科目1度目の受験で合格し、ワシントン州ライセンスを取得。直後に職種未経験から監査法人に転職、在職中。USCPAや英語を活かしたキャリア形成に興味があり、日々より良い「最適解」を自ら模索しながら本業と情報発信に取り組む日々を送る。社会人になったことをキッカケに勉強に目覚め、英語に興味を持ったことから人生が好転し始める。
Twitterでは、USCPAに関すること、海外での可能性などの有益な情報発信を頑張っています。DMで質問も受け付けていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください!
Twitter ➡️➡️➡️ パラゴン@USCPAのキャリア形成
受験・全科目合格までの時系
- 2020/07 NIESへ学歴審査依頼
- 2020/09 学歴審査の結果受領
- 2020/09 FARから学習開始
- 2020/11 FAR受験、77点合格
- 2021/01 AUD受験、78点合格
- 2021/03 BEC受験、79点合格
- 2021/04 REG受験、77点合格
- 2021/05 ワシントン州ライセンス取得
2020年6月ごろから学歴審査などの手続きを開始。9月から本格的にテスト対策を始め、ラストの科目REGの合格を5月11日確認→5月24日にライセンス申請・取得にてUSCPAを完全終了。
FARの学習・受験
王道に従い、FARの学習からスタート。(勉強期間:3ヶ月)
FARは4科目中ダントツでボリュームのある科目なので、範囲を網羅的に学習するのがとても大変でした。基本的に問題集を周す勉強方で、解説を読んでも分かりにくい論点に出会ったらテキストに戻るスタイルで進めることに。
結果的に、4科目の中で最初に受けたFARが、最も長い勉強時間を費やし、試験も難しく感じました。
理由としては、FARの範囲の膨大さもさる事ながら、初めての受験ということもあり勉強の仕方も今思えば非効率だったと思います。
後の科目を勉強しながらわかってくるのですが、USCPAの学習はあまり細かい点の理解に拘らず、どんどん問題を解いて「出題の形式になれること」、「基本問題を落とさないレベルに持っていくこと」が大切です。
100%理解しようとして多くの時間を費やしてしまったのが、今思うFAR学習の失敗です。「70%ぐらい理解できたらよし」ぐらいの心がまえで進めていくのが良いと思います。2周、3周としていくうちに理解できてくる点は多々あります。何周かして、どうしても理解できないところだけ、時間を使ってじっくり理解に努めてもいいと思います。
いよいよ受験当日です!
ある程度、手続きや試験の流れはネットで調べていたものの、やはり初めてのことで神経を使うので、試験以外の部分にも多くのエネルギーを消費してしまったと思います。こういったことも、多くの受験者がFARが一番難しいと感じる原因となっているのではないでしょうか。
受験後の感想は正直、「100%落ちた」と感じていました。
MCは体感的に50〜60%ぐらいを確信して解答できた感じて、難化も感じられませんでした。
TBSにいたっては、半分もわからなかった印象です。これで受かるはずがない手応えです。
この時は、正直USCPAは諦めようかと考えていました。
自分なりに納得できる準備をして試験に挑んだにもかかわらず、本試験のあまりの難しさに心が折れました。「このレベルの試験を4科目なんて無理だ」。
しかし結果は、77点で合格していました。
これは正直今でもなぜ合格だったのか謎です。というのも、残り3科目の受験後の手応えはFARの時に感じたものより遥かに良かったものの、ほぼ同じ点数だったからです。
とはいえ、兎にも角にも1科目めであるFAR合格することができ、USCPAを諦めずに済みました。
FARについてはこちらの記事で詳しく書いていますので、ぜひ読んでみてください。
⇒【実はここが超鬼門】FARで失敗しないコツ3選【USCPA】
AUDの学習・受験
2科目めはAUDを受験することに。(勉強期間:5週間)
FARの合格で少し自信がつき(これ大事です)学習意欲が高かったこと、監査の仕事に興味があったことから、AUDは比較的楽に進められました。
勉強方法はFARの時と同じく、1回テキストをさらっと読んで、問題集をとにかくまわしていきます。2科目めということで、FARの時よりスムーズに進められます。
またこの勉強法で1つ合格したという実績があるので、自分の勉強の進め方に対する不安もFARの時と比べ少ないです。このような要素も2科目めからが楽になる理由ですね。
AUDは「暗記」というよりも「監査の流れや概念を理解すること」が大事だと感じました。
問題集を周しながら、なぜその答えなのかを自分の言葉で説明できない論点をテキストで確認する。これをとにかく繰り返します。
また、AUDは計算問題がほとんどないので、英語のリーディング力が鍵になってきます。
とにかく読む量が多いので、ある程度早く読めないとAUD攻略は難しいと言えるでしょう。
速読だけでなく、深い理解力も求められます。専門用語の理解だけでは不十分で、文章全体やパラグラフ単位で細かいニュアンスを理解できないと正確に答えられない問題もAUDには見られました。
英語のリーディングに自信がない場合は、まずは英語学習から始めることが、おそらくAUD合格への近道になるかと思います。
受験に踏み切った目安として、アビタスの問題集を9割程度正解できるようになった時点で受験。勉強量は4周プラス特に苦手なところの復習をしての受験でした。
MCの難化も感じられ、手応えはFARの時とは比べ物にならない良さで、これは受かったなと感じました。
結果78点で合格。
手応えには大きな差があったにもかかわらず、FARと1点しか違わないことにヒヤッとします。このあたりの採点基準、謎ですね。次の科目へ向けて気が引き締まりました。
AUDについてはこちらもぜひどうぞ
⇒【泥沼化に注意】AUDが難しい3つの理由とその対策【USCPA】
BECの学習・受験
3科目めはBECを受験。(準備期間:6週間)
2科目合格して折り返し。だいぶ学習の進め方や試験の雰囲気・流れに慣れてきました。この勢いで突破したいところです。
個人的にはAUDが簡単に感じましたが、客観的に判断するとBECが一番難易度が低く、取っ掛かりやすいのかなと感じました。
学習範囲は基本的な事項がほとんどなのと、内容も原価計算やファイナンスは興味を持てる人も多いのではないでしょうか。意外とコーポレートガバナンスやITの部分は得点源にしやすいというのもBECが比較的受かりやすい印象を受けた理由です。
深い理解を心がけたAUDとは一変、BECの学習は浅く広くを心がけ進めます。方法はこれまでと変わらず、問題集メイン。解説を読んでも難しい論点に遭遇した時のみテキストで確認します。
BECといえば心配になるのが、WC(Written Communication)があります。日本人にとっての鬼門になりがちなパートです。
WC対策は、アビタスのテキストの解答をタイプして、論点と文章構成をセットで頭に叩き込む作戦でいきました。丸暗記ではなく、あくまでも論点に対して回答で論じられているポイントを覚えること。これで本番で似たような点が問題になった時に対応できます。これを3周こなしました。
AUDと同じく、問題集を9割ぐらい正解できるようになった時点で受験です。
もう試験も3回めなので慣れたものです。あまり緊張もしなくなりました。
しかし、慣れとは怖いもので、この時はFAR、AUDの時と比べて少し気が緩んでいたのでしょう。
というのも、FAR・AUDの時は事前に用意した時間配分通りに進められましたが、BECではMCの計算問題に多くの時間を使ってしまい、後に控えるTBSとWCに使える時間が30分ほど削られてしまいました。しかもその割に、難化もありません。これはやってしまいました。相当焦ります。
BECはMCの後、TBSがテストレット3・4を合わせて5問、WCがテストレット5にて3問あります。この中でなんとかして遅れを取り戻さなければなりません。
まず考えたのが、WCには60分を充てる予定にしていたので、1問5分節約して45分で終わらせます。これで15分取り戻せます。
残りの15分は、TBSの中で、わからない問題を潔く諦めていくことで捻出することにしました。苦肉の策ですが、仕方ありません。
幸いなことに、TBSではドロップダウンリストから選択する問題など、比較的難易度の低い問題が数問出てくれました。これで得点・時間共にかなり助かりました。
そしてファイナンスの難解な問題は、作戦どおり潔くほぼ諦めました。採点されない問題であることを祈るばかりです。
WCも練習していた論点に近いものばかりで、かなりスムーズに書くことができ、結果数分余って全問終えることができました。一時はどうなるかと思いましたが、なんとか乗り切りました。
手応え的にはFARとAUDの中間ぐらいです。あまり胸を張って受かったとは言える感じではなかったですが、結果は79点でなんとか合格。微差ですが、これまでで最高得点となりました。
REGの学習・受験
ラスト1科目!REGです。(準備期間:5週間)
これに合格すれば、念願のUSCPA全科目合格です。終わりが見えてきて精神的にもだいぶ楽になりました。
またこの時はすでに3科目合格した実績があるので、「自分の勉強法が通用している」という自信もあり、ほとんど不安な気持ちはありませんでした。
当然、同じように問題集中心の学習法でいきます。
「REGは暗記科目だ」とよく目にしますが、個人的にはAUDと同様に理解が大事な科目に感じました。確かに覚える数字やルールは多く、暗記でしか対応できないところも多々あります。しかしもっと大事なのは、根本的に「なぜこれが正解でこれは不正解なのか」を自分の言葉で説明できる理解度がないと、応用問題やTBSで答えに辿り着くのは難しいと思います。
学習しながらそのように感じたので、できるだけ理解重視で進めていきます。
「REGはbasisの理解が鍵」とは聞いていましたが、本当ですね。basisの理解なくしてREGの攻略はできないでしょう。basisは暗記だけでなく、必ず理解して臨んだ方がいいと思います。
もう一つREGに関して知っておいた方がいいのは、Business Lawのパートは「得点源・時短」にとても活躍します。侮ってはいけません。
Business Lawに関しては暗記で充分だと感じましたので、そこまで気合を入れて学習する必要はありませんが、問題集9割正解ルールは適用すると良いと思います。
4科目めなので仕上がりの感覚もバッチリ掴めています。自分が納得できる仕上がりになったら受験です。
REG受験の手応えは4科目中で1番ありました。合格を確信して帰宅できたのは初めてです。安心して合格発表を待ちました。
結果は77点で合格。なんと不合格を確信したFARと同じ点数。USCPA試験は手応えと得点が合わないままでした。
とはいえ、これでUSCPA試験全科目合格、コンプリートできました。
まとめ
USCPA4科目の学習・受験の感想をざっくり書きました。
USCPA試験は範囲が膨大で、確かに難関資格の1つにあげられるのも納得です。大変だったのも事実ですが、合格を確認した時の「達成感」は何にも変えがたいものであり、忘れられない瞬間です。
実現したかった、USCPAを活用した転職にも成功しました。終わって振り返ると本当に挑戦して良かったと思っています。
本記事がUSCPAに挑戦する人の情報収集に、少しでも役立てば嬉しいです!
転職活動についてはこちら
これから何か新しいことに挑戦してみようと思ってる人にぜひ検討してほしい資格です。
USCPAはグローバル系・会計・経理の方向でのキャリア形成に大いに役立つ可能性のある資格です。これから何か資格取得に挑戦しようと考えている人にぜひ検討してみてほしいと思います。
科目の特徴や比較はこちらを参照ください。
ここまで読んでくれてありがとうございます!
Twitterでは、USCPAに関すること、海外でのキャリア形成などの有益な情報発信を頑張っています。DMで質問も受け付けていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください!
Twitter ➡️➡️➡️ パラゴン@USCPAのキャリア形成