USCPA試験で多くの場合最初に受験するFARってどのぐらい難しいんだろう?1科目目だし、受験の流れもわからないし不安。具体的に必要な勉強量や確実に受かるコツが知りたいな。
FARは多くの受験者が最初の科目として選択します。
4科目中、もっとも学習ボリュームがあり、実はここが最初にしてUSCPA試験最難関の試練と言えると思います。
本記事では、FARが難しい理由と対策をしっかり解説します。最初の科目で失敗しないコツを掴んで乗り切りましょう!
実際、FARを乗り切ったあとは楽になってきます。FARを乗り越えることで、全科目合格までやりきれるの可能性はすごく高まります!
こういった疑問に答えます。
✔︎この記事を読むメリット
- FARが難しい理由を理解でき、効率的な学習計画がたてられる
- FAR受験で失敗しないためのコツを知り、効果的な対策ができる
- 初受験で知っておきたい試験のポイントがわかる
- 最初の受験科目であるFARで挫折してしまう確率を下げられる
FARはUSCPA試験で、多くの人が最初の受験科目に選びます。実際、FARは後の3科目に取り組む上でも土台となる知識が多いので、まずはFARを学習・受験するというのは正しい選択だと思います。
反面、FARは4科目中最も範囲が広く、多くの受験者が苦労する科目であることも事実です。僕自身、USCPA4科目の中でFARが一番苦労しましたし、試験後の手応えも最悪でした。
本記事では、筆者がFARを実際に受験した際に感じたことをベースに、「こんな対策をしておけばよかった」や「受験前に知っておきたかったこと」などの情報を共有していきます。本記事を参考にして頂き、最初のFARでつまずく人が少しでも減れば嬉しいです!
✅本記事のコンセプト:筆者がFAR受験で実際に苦労した経験から、FARが難しい理由を解説。それを踏まえた上で効果的な対策を考察し、FAR合格へのハードルを下げる。ここでつまずく可能性をできるだけ減らす。読者はUSCPA全科目合格までやり切れる自信が持てる。
筆者はUSCPA試験に約8ヶ月の独学で全科目合格、未経験から監査法人への転職に成功・在職中の30代です。本記事では、僕の実際の受験体験から、USCPA合格を目指す人にとって有益な情報を紹介していきます。
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FARが難しい理由
FARが難しい大きな理由は以下の3つです。
- 範囲が膨大
- 初めての受験の場合、学習計画がうまくたてられない
- 試験当日の流れを知らない
以下解説していきます。
範囲が膨大
FARの試験範囲は4科目の中で1番広く、かなり膨大です。
アビタスの問題集はFARだけ分厚いのが4冊ありますし、WileyもFARだけ他3科目の倍ぐらいの分厚さがあります。(一番下の緑の本がFARです)
FARの内容をざっくり列挙すると以下のような項目が並びます。
- 財務会計のコンセプト
- 財務諸表
- 現金と売掛金
- 棚卸在庫
- 流動負債と偶発事象
- 固定資産
- 無形資産
- 貨幣の時間価値
- 社債
- リース
- 手形
- 収益認識
- 年金と退職後給付制度
- 株式関連
- 投資
- 税効果会計
- キャッシュフロー計算書
- 企業結合
- 外貨建取引
- 外貨建財務諸表の換算
- 会計上の変更と修正
- パートナーシップ
- 国際会計基準の適用
- 政府会計
- 非営利組織
ざっとこんな感じです。気が遠くなります。
これだけの範囲を理解し合格レベルまでもっていくには、まず効果的に学習を進めるための学習計画が必須です。
初めての受験の場合、学習計画がうまくたてられない
FARは多くの受験者にとって1科目目なので勝手がわからず、どのように学習を進めていけば良いか迷ってしまうことが多いです。
僕自身もFARが受験まで1番長く準備期間を費やしました。それは先述の範囲が膨大であるということだけでなく、「何を」「どのくらい」理解すればいいのかわかっていないので、学習効率が悪かったことも大きな理由です。
元々日本の会計士や税理士、簿記1級保持者のように会計の知識にかなり馴染みがない限り、あの膨大なFARを全て完璧に網羅するのは不可能です。
大事なのは、どのくらい理解すれば合格基準なのかを把握し、学習を進めていくことです。
学習を進めていくと解説を読んでもどうしても理解できない論点に出会います。特に1科目目のFARでは理解できないことがあるのは不安なので、全てを理解しようとしがちです。
その結果、学習の手応えを感じることができずに、膨大な範囲に圧倒され挫折してしまう。
膨大な範囲に加え、この「学習効率の悪さ」もFAR突破の大きな妨げになっています。
試験当日の流れを知らない
これも1科目目がゆえ、試験当日の流れや会場の雰囲気を知らないのでFARの受験は非常に疲れることも、FAR合格の難易度を上げていると思います。
初めて会場に行き、受付をし、荷物を預け、番号を呼ばれたら入室しチェックイン、説明を受けボディーチェック、入室しコンピュータにチェックインし、いよいよ試験開始。
やはり知らないことをするのは気を張るので疲れるものです。ただでさえも約4時間のハードな試験なのに、受験開始までにも相当エネルギーを使うのでかなりしんどいです。
僕も2科目目からは受験後の疲労がFARのときと比べて、かなりマシだったことを覚えています。
この点の対策としては、ネットで試験当日の流れを把握しておく+当日までに一度プロメトリックセンターへ実際に足を運んでおくことをお勧めします。できれば中に入り、受付や待合室の雰囲気も見ておきましょう。
最寄駅から会場までの道筋を知っておくだけでも当日の不安は一つ解消ですし、中を確認しておくことで、当日の流れも想像しやすいでしょう。
プロメトリックセンター御茶ノ水
プロメトリックセンター中津
ここまでUSCPA合格を目指す人にとって、実はFARが大きな鬼門となっている理由について解説しました。
FARは範囲が膨大な上、多くの人にとって初受験となるので試験そのもの以外のハードルがあります。
この点を理解し、適切に対策することでFARで挫折してしまう可能性を下げることができます。
ここからは僕が実体験から学んだ、FAR受験で失敗しないためのコツを紹介していきます。
FAR受験で失敗しないためのコツ3選
FARが難しいことは理解したけど、具体的にどうすればいいのかな?
ここからFARを乗り越えるためのコツを紹介していきますよ!
理解できない論点は諦めも大切
学習を進めていくと解説を読んでもどうしても理解できない論点に出会います。このような場合、理解できるまで掘り進めたい衝動に駆られるのが人間というものですが、そこはスルーする勇気を持った方がいいです。
現時点で理解しづらい点は、いくら時間をかけてもわからない可能性が高いですし、1回目の学習で理解できなくても、2回・3回と同じ箇所を学習していくうちに何かが繋がって理解できるというのもよくあることです。
FARの膨大な範囲を全て完璧に理解するのは不可能だと思った方がいいです。それに、あなたが理解できないということは、みんな理解できないような難解問題である可能性もあります。万が一試験に出てもほとんどの人が正解できないような問題なので気にすることはありません。
それよりも基本事項の理解の徹底の方がはるかに大事です。
完璧主義は捨て、あくまで狙うのは合格基準。
それができれば、FARでの挫折率を大きく下げることができると思います。
TBSは思っている10倍念入りに練習しておく
万を辞して挑んだFAR初受験で、僕は面食らいました。
絶対落ちた。TBS難しすぎる!
受験後の手応えとして、全く合格した気がしなかったのはTBSがボロボロだったからです。(MCも良い手応えとは言えませんでしたが、TBSに比べると印象に残りませんでした。それだけTBSが最悪だったということです。)
この時のTBSの難しさから、USCPA合格不可能説が自分の中で芽生えるほどでした。
この点に関して、具体的な対策を上げるなら
TBSは思っている10倍念入りに練習しておく
ことです。
騙されたと思って、10倍念入りに準備した方が良いです。
特に
- Bank Reconciliation
- Cash Flow Statement
- Business Consolidation
この辺りは処理する情報量も多いので難解になりやすく、出題頻度も多いのでしっかり理解できるまで対策した方が絶対いいです。(過去の自分に伝えたい)
FARを乗り越えるとその後は楽になることを知っておく
上述しましたが、僕はFARのあまりの難しさから、USCPA合格は諦めようかとまで考えていました。
「FARは残り3科目の基礎になるから1科目目の受験がオススメ」と聞いていましたので
基礎科目でこの難しさなら、残り3科目なんて到底無理でしょ。
という気持ちでいっぱいでした。
僕はこの時の体験から、「同じようにFARの壁にぶち当たってUSCPAを諦める人は多くいるんじゃないか」と考えました。
もしあなたが今、そのような状況にあるなら僕は伝えたいです。
ここでやめるのはめちゃくちゃもったいないんだと!
なぜならFARを受験しようと思った時点で、USCPAの学習は30%~40%ぐらいは完了しているからです。
なんとかFAR合格まで頑張ってみてください。
そのあとはかなり楽になります。
どの教科もFARに比べて半分ぐらいのボリュームですので、ゴールが見えやすくサクサク進んでいきます。
また、2科目目からは学習のコツもある程度掴んでいて、試験の流れも把握しているので、FARの時に比べて1科目をコンプリートするのがすごく楽です。
「FARでこの難しさなら、他はどれだけ難しいんだろう…」ではなく、「FARを乗り越えたら大山は超えたも同然。」のマインドを持って取り組んでほしいと思います。
ここを乗り越えて、晴れてUSCPAを取得することができたら多くのメリットがあります。
初受験で知っておきたい試験のポイント
最後に初受験の際に知っておいた方がより合格の可能性を上げられる「時間配分」のポイントを紹介します。
時間配分を把握して試験に臨む
FAR、AUD、REGの3科目は
MC1→MC2→TBS1(2問)→TBS2(3問)→TBS3(3問)
という構成になっています。
BECは
MC1→MC2→TBS1(2問)→TBS2(3問)→WC(3問)
となっています。
基本的なモデルケースとして
FAR
MC1 → MC2 → TBS1→ (15分休憩)→ TBS2 → TBS3
33問x80秒 33問x80秒 2問x19分 3問x19分 3問x19分
=44分 =44分 =38分 =57分 =57分
このような時間配分になります。
注意点として、USCPA試験はテストレットで区切られており、先のテストレットへ移動すると前のテストレットへは戻れません。
例えば、MC1の最後の問題回答後に、”Submit” のボタンを押すとMC2へ移行するのですが、この時点でMC1へは戻れません。
ですので、どのテストレットにどれだけの時間をかけるかあらかじめ計画して試験中にタイムマネジメントをすることが、合格には不可欠です。
MCで遅れ気味になっても焦らない
上述したとおり、USCPA試験において時間管理はとても重要な要素です。
それゆえ、遅れるとどうしても焦ってしまいます。
特に前半のMCで時間オーバーしてしまうと、その後のテストレットに落ち着いて取り組むのが難しくなります。
しかし、4科目受験した経験から分かったことは、MCが遅れ気味でもTBSで取り返せるので焦らなくていいということです。
上記のMC1問つき80秒はあくまでも理想的なスピードであり、そのとおりに進めるのは難しいです。
実際、僕もMCを予定時間以内に終われたことはありません。
逆にTBSは19分もかからない問題も出題されますし、リサーチ問題でかなり時間節約が可能です。
もちろんじっくり考えた方が良い問題もありますので、要はTBSでは時間節約の為にあまり時間をかけない問題とじっくり19分かけて解く問題を見極めることが大事です。
じっくり考えた方が良い問題の例としては、Business ConsolidationやCash Flow Statementの空欄に数字を入れていくような細かい計算が必要となるものです。
時間をかけない問題の例としては、ドロップダウンリストから正解を選ぶ、MCの延長のような問題があります。両者では問題を解く時間は大きく違うので、同じTBSといっても全てに19分かけるのではなく、問題の性質に応じた時間配分を考えます。
全体でバランスが取れれば問題ないので、途中の時間配分がうまくいっている手応えが感じられなくても焦らなくて大丈夫です。取り返せるポイントは必ずきますので、落ち着いて問題を解いていきましょう。
リサーチ問題は10分で見切る
TBSの究極の時短方がこの「リサーチ問題は10分で見切る」ことです。
問題に当てはまる条文がなかなか見つからない時、やはり固執してしまいがちですが、諦めて先に進みましょう。10分考えてもたどり着けなかったら、あと5分かけても見つからない可能性が高いです。
僕自身、リサーチ問題は半分以上の確率で諦めることになりましたが、全科目合格できました。
この10分ルールでMCでオーバーしてしまった時間を9分、2問出題されたら18分取り戻せます。
よほど時間に余裕がない限りはこの10分ルールで時間を節約し、他のTBS問題に当てた方が合格に近づけると思います。
まとめ
多くの受験者にとってFARが実は大きな壁となっている理由と対策を紹介しました。
FARを乗り越えるのは大変に感じますが、ここをやり切れば確実に景色は変わります。
ここで諦めるのはすごくもったいないのです。
FARが4科目の中でも特に難しく感じる理由を理解し、適切に対策することで合格がグッと近づきます。
この記事が少しでもUSCPAを目指す方々のモチベーションアップや情報収集に役立てば嬉しいです。
ここまで読んでくれてありがとうございます!
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