USCPAに興味があるけど、予備校は費用がかかるし独学を検討中。学歴審査や単位取得のことも考えないといけないし、そもそも独学で合格って可能なの?実際独学で合格した人は手続きとか勉強をどんなふうに進めたんだろう?
僕はUSCPA試験に8ヶ月の独学で全科目合格することができました。今回はその経験から、そういった疑問に答えます。
✔︎この記事を読むメリット
- USCPA試験に独学で合格する難易度や費用、学習時間を知る
- USCPAに独学で合格するメリットを知る
- USCPAに独学で挑むデメリットを知る
- 独学する場合の教材と勉強法を知る
「USCPAに合格するにはやっぱり予備校は必須なのだろうか。もし独学で合格を目指す場合、どうやって勉強を進めていけばいいんだろう。また、どのぐらいの時間と費用が必要なんだろうか?」こういった疑問を抱えている人もいるかと思います。本記事ではUSCPAに8ヶ月の独学で合格することができた筆者の学習経験から、そのような疑問を解消できるように、実際におこなった学習の進め方、独学のメリット・デメリットや筆者が考える独学合格の難易度を解説します。本記事を読んでくれた人にとって、USCPAの学習に少しでもプラスになれば嬉しいです!
✅本記事のコンセプト:USCPAを独学で合格を目指すメリットとデメリットを考察。実際におこなった学習法を公開し、独学で合格を目指すべき人、そうでない人のタイプを検討する。読者は「予備校 or 独学」について、自身の状況にあった選択ができるようになる。
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USCPAに独学で合格する難易度
結論から言うと、USCPAに独学で合格することは可能ですが、非常に難しいです。その理由について解説します。
まずUSCPAは受験資格を満たさないと受験すらできない資格であり、その受験資格も多くの人は開始時点では満たしていません。
アラスカ州 | グアム州 | ワシントン州 | ニューヨーク州 |
4年制大学の学位 | 4年制大学の学位または 総取得単位120以上 | 4年制大学の学位 | 総取得単位120単位 (Financial Accounting、Auditing、Taxation、 Management Accounting を含む) |
会計15単位 | Upper Divisionに該当する会計24単位 (Financial Accounting・Auditing・Taxation・ Management Accountingを含むこと) | 総取得単位150 | |
ビジネス24単位(Economics 6単位以上、 Finance 3単位、Business Law 3単位を含む) | 会計24単位 (15単位以上のUpper Divisionの単位を含む) ビジネス24単位 |
この単位取得が独学の場合、全て自分でやらなくてはならないので、非常にやっかいです。予備校に所属していれば提携校の学習プログラムを通じて単位を満たすことができるので、独学の場合と比較してかなり楽で安心だと言えるでしょう。
さらに独学の場合、理解できない論点に出会ったときも自分で調べて対処しなければなりません。特に会計初心者ほど、質問できない環境は不利かもしれません。理解できないことがあまりに多いと資格自体を諦めてしまうことになりかねません。
加えて独学は基本的に1人で勉強することが多くなるので、モチベーションの維持が大変です。多くの場合、USCPAは1年超かけて取得を目指す資格ですので、長期に渡り孤独な環境でコツコツと勉強を続けるのは精神的にタフでないときついです。同じ志を持つ仲間がいて、日々情報交換しながらモチベーションが保てるというのは予備校の大きなメリットだと思います。
USCPAに独学で合格するメリット
独学で合格するメリットはなんといっても「費用が安くなる」これに尽きるでしょう。
予備校に通うとなると、入学金+受講費で50万円〜の費用がかかります。ただでさえも受験料が高額なUSCPAを取得するにあたり、ここが節約できるのは大きいです。
ただし、予備校費用が全て節約できるかといえばそうではありません。予備校費用には教材代が含まれていること、提携校で単位を格安で取得できるなどのポイントを考慮しなければいけません。さらにライセンス取得を考えているなら、独学の場合、予備校に頼んでサインしてもらうのに11万円かかりました。予備校生なら1万円~で受けられるサービスです。計算すると
- テキスト代 10万円(予備校の最新テキストをメルカリで購入)
- ライセンス取得サポート代 11万円
- その他 数万円
これらは予備校に通わない場合のコストです。予備校の受講費用50万円から差引すると、独学すれば20万~30万円の節約になりそうです。
この20~30万円をどう捉えるかは個人の価値観ですが、費用を大幅に節約できるのは独学の大きなメリットです。
実際、USCPAに独学で合格する人には共通点があります。それらを押さえることで、独学を成功させられる可能性を上げられます。
USCPAに独学で挑むデメリット
次に独学のデメリットを考えていきます。
自分自身の体験から思うデメリットは
- 手続き関係がとてもめんどくさい
- わからない論点を理解するのが大変
- 学習スケジュールの管理が大変
- モチベーションの維持が大変
- 孤独がきつい
- 過去問が受けられない
このあたりではないでしょうか。
裏を返せばこれらは予備校のメリットであり、独学で節約できる30万円は、これらの問題を予備校が解決してくれる費用だと考えることができます。
特に学歴審査などの手続きに不安がない、質問できる環境、過去問が受けられる、の3点は予備校の大きなメリットだと思います。このあたりのデメリットをどう考えるかも個人の価値観次第にはなりますが、独学した身としては、30万円でこれだけの悩みや苦労が解決できるなら十分な価値があると思います。予備校代は先行投資だと捉えて、上記のデメリットを避けてUSCPAを取得、収入を上げて回収すればよいのです。
独学に向いてる人・向いていない人
以上の難易度・メリット・デメリットを踏まえ、独学に向いている人・向いていない人について考えます。
僕の意見としては、基本的に独学はオススメしません。上述のとおり、メリットとデメリットが釣り合わないと思います。
それでも独学で勉強することでメリットが得られる人は
- 単位の追加取得が必要ない
- 会計・簿記の知識がある
- 英文会計の用語に抵抗がない
これらの条件を満たしていれば、予備校に通わず独学でも十分合格可能でしょう。
逆に1つでも満たしていなければ、予備校を利用する方が早く確実に合格が目指せる可能性が高いと考えます。
独学に使用した教材と勉強法
上述のとおり、基本的に独学はオススメしませんが、最後に僕がおこなった独学の学習法や使用した教材について紹介します。
✔︎基本情報
使用した教材 | アビタス |
1日平均学習時間 | 7時間 |
学習期間 | 8ヶ月 |
結果 | 全科目1回目の受験で合格(FAR 77, AUD 78, BEC 79, REG 77) |
✔︎学習の進め方
- まずはテキストをさっと一読。テーマの内容をざっくり理解する。
- 引っかかる論点は熟読し、理解に努める。
- 問題集へ移行。一問ずつ解く→解答解説を読む
- テキスト→問題集の流れをチャプターごとに1周。
- 2周目からはテキストは読まずにいきなり問題集に取り掛かる。わからない論点が出てきた時だけテキストで確認。
- 3周目は間違えた、もしくは次周にも確認しておきたい問題に付箋で印をつけながら説いていく。
- 4周目は印のついている問題にだけ取り組む。理解できたと思ったら付箋を外す。
- 9割程度すらすら正解できるようになったところで受験。
全科目この流れで学習しました。自分の基準なので4科目とも同じような理解度で受験し、同じような得点で合格しましたので、結果論ですがわりと合格基準の感覚は正しかったのだと思います。
まとめると、アビタスのテキストを90%ぐらい正解できるようになったら受験。これで合格できました。(得点は合格ラインギリギリですが)
✔︎総学習時間
USCPAに合格するために必要な学習時間は、予備校が一般的に提示しているのが1000時間、「USCPA 学習時間」で検索して頻繁に目にするのが1500~2000時間となります。
では、実際どうだったのか。
僕はUSCPA学習に専念するために学習中は離職していたので、1日中勉強に充てることができました。なので、10時間以上勉強できる日もザラにありました。8ヶ月の中には受験日を含め勉強しない日もあったこと、半日だけ勉強した日などを考慮すると、ざっくりですが1日平均7時間程度になると思います。
7時間 x 30日 x 8ヶ月 = 1680時間
やっぱり、他の方々がブログで紹介しているのと似たような結果になりました。
実体験として、1000時間というのはかなり無理があると思います。簿記の知識が元々あって英語にも問題がないような、前提とする知識が高い受験者なら可能かもしれません。しかし僕自身を含め、多くの場合はそうでないことを考えると、結論USCPA取得の学習時間は1500時間~2000時間を目安と考えるのが妥当と言えそうです。
参考:他資格の目安学習時間
公認会計士 | 4000時間 |
簿記1級 | 800時間 |
TOEIC800点 | 1000時間 |
宅建 | 400時間 |
簿記2級 | 250時間 |
まとめ
USCPAは独学で取得可能なのか考察しました。結論、独学での合格は可能ですが、一部の場合をのぞいて、独学はオススメできません。ただでさえも難関な試験に加えて、手続きなど他要素の負担が大きすぎるので、学習の妨げになってしまいます。それで合格までたどり着けずに諦めてしまっては元も子もありません。
本記事がUSCPAを目指す方にとって、少しでも有益な情報を提供できれば嬉しいです!
ここまで読んでくれてありがとうございます!
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