USCPAに合格したら転職を考えています。監査法人よりも事業会社への転職に興味があるんだけれど、USCPAが活かせる職種はどんなのがあるんだろう?
僕自身はUSCPAに合格して監査法人に転職しましたが、学習中は事業会社への転職ももちろん検討していましたので、今回はUSCPAの事業会社への転職の可能性について考えてみます。
✔︎この記事を読むメリット
- USCPAが活かせる職種や業界を知る
- USCPAが事業会社への転職を検討するメリットを知る
- USCPAが無駄になってしまう転職とはどんな場合かを理解する
✅本記事のコンセプト:USCPAの転職先として監査法人ではなく事業会社を選ぶメリットを考察。USCPAが活かせる職種・業界を知り、読者は自身の興味や趣向と照らし合わせ、転職の可能性について考えることができる。
筆者の経歴:USCPA試験に約8ヶ月の独学で全科目合格後、ワシントン州のライセンスを取得。未経験から監査法人への転職に成功・在職中の30代。英語と会計を軸に自身の特性や興味を活かしたキャリア形成に挑戦中です。
USCPAが活かせる職種や業界
USCPAの特性を考えたとき、転職に使うべき切り口は2つあります。
- 英語
- 会計
この2つの特性に関連する仕事はたくさんあります。
まずどんな会社にも経理はありますので、経理を軸にして好きな業界を選ぶのも1つの良い選択です。例えば、現在車の製造業界で営業をしている人なら、車の製造という業界を固定し、USCPAを活かして経理職に職種チェンジしてキャリア形成を図るというものです。もしくは元々経理職をしている人なら、実務経験+USCPAを活用しての業界チェンジに挑戦するのも良い選択となります。いずれにせよ、経理関連の職種を狙う転職なら、USCPAの持つ「会計」という特性を存分に活用できることでしょう。
次に英語を切り口とした転職ですが、こちらはもっと幅広い選択肢があります。ここで注意したいのが、「英語を使う仕事」といっても、USCPAの特性に合うかどうかが職種により分かれるということです。例えば「翻訳のような英語力をそのまま作業に転換する業務」のような、英語力が全てと言える職種は合わないでしょう。逆に営業などの英語以外の能力も求められる仕事の方が、USCPAで培った会計やビジネスの知識を活用できます。英語を軸に仕事を探すにしても、USCPAの持つ他の特性を英語力と掛け合わせられる仕事が理想です。
さらにUSCPAはその高い英語力とビジネス知識を評価されて海外勤務のチャンスを得ることも珍しくありません。実際、海外勤務の求人には条件に「USCPA」を入れている案件も多くみられます。
企業が人材を海外へ送ろうと考えるときに求めるものは何でしょうか?
ほとんどのケースで「語学力」と「マネジメントスキル」が挙げられます。後述しますが、日本ではそのような海外勤務を任せられる人材はとても貴重です。USCPAはそんな条件に叶いやすいと言えます。
海外転職についてはこちらで詳しく紹介していますので、あわせてお読みください。
USCPAが事業会社への転職を検討するメリット3選
USCPAが事業会社へ転職するメリットは3つあります。
- 知識や経験が会計に偏らない
- 長所が活かせる
- 好きな仕事を選びやすい
知識や経験が会計に偏らない
「米国公認会計士」という肩書だけあって、やはりUSCPAのキャリアは会計に偏りがちです。もちろんその道のスペシャリストになることも素晴らしいとは思いますが、一度会計士としての道へ踏み出すと、キャリアチェンジしづらい印象があります。それはやはり、専門性の強い仕事なので「広く」よりは「深く」を追求する職業であるということと、監査法人の労働環境はとても良いことが多いのでわざわざ別業界へ転職しなくてもいいやと思いがちで、キャリアチェンジの心理的なハードルが上がるからだと思います。
一般事業会社なら様々な部署や役割があり、本人が希望すれば幅広い経験が積めるチャンスも多くあります。将来起業を考えていたり、広く可能性を模索していきたいのであれば事業会社で様々な経験をすることは、大きなメリットになるでしょう。
長所が活かせる
監査法人への転職は周りが公認会計士だらけなので、USCPAで身につけた会計知識は「必須事項」であり長所になりません。また、USCPAには英語が得意な人もたくさんいるので英語も多少できても長所とは言い難いと思います。監査法人で目立つ存在になるには、会計や英語で業務をこなせることは当然として、いかにそれ以外の能力が発揮できるかが大切です。
一方事業会社なら多くの場合、USCPAで身につけた会計知識や英語力は非常に大きな長所となることでしょう。
USCPAを学習している人たちにはとてもラッキーなことに、会計と英語は現代社会の必須スキルでありながら、日本でその2つを高いレベルで使いこなせる人材はかなり希少です。
経理職はもちろん、営業や製造、エンジニア等どんな職種であれそれらの長所を存分に発揮し活躍する場面は必ずあるでしょう。
好きな仕事を選びやすい
そんな「希少なスキルを持った人材」の転職活動は当然選ぶ側になりやすいです。
仕事を選べる=好きな仕事ができる
USCPAの転職はこれが実現しやすいと言えるでしょう。どうせ働くなら好きな仕事がしたいものですよね。
また、好きな仕事ならモチベーションも保ちやすく成果につながりやすいので、さらに正のスパイラルに入ることも考えられます。新たな経験とスキルを身につけ、さらにキャリアアップしていく。このようになっていくのも夢ではありません。
USCPAが無駄になってしまう転職とは?
最後にUSCPA取得が無駄になってしまう転職とはどのような場合なのかを考えます。転職活動をする際は少し意識して求人を選んでみて下さい。
まず一つは、単純作業系の知識やスキルを必要としない仕事です。会計士は知識を売る仕事ですので、それが全く必要とされない仕事では長所は発揮できません。
次に英語が全く必要でない仕事もUSCPAのスキルはあまり活かせないでしょう。USCPAの最大の長所はやはり、「英語でビジネスができる」ことであり、日本語オンリーとなると差別化が難しくなります。どんな仕事でも海外担当や専属部署に入る方が、スキルを活用し、活躍していけると思います。
まとめ
USCPAの事業会社への転職について書きました。せっかくUSCPAを取ったなら監査法人へと考える人も少なくないですが、事業会社への転職にも多くのメリットがあると思います。自身の今後の展望に沿って合格後の転職先を一度考えてみることをオススメします。
本記事がUSCPAの情報収集に少しでも役立てば嬉しいです。
監査法人への転職についてはこちら