USCPAを取得して、海外で働いてみたい。オーストラリアを候補に考えているけど、USCPAが活躍できるチャンスはどのぐらいあるのかな?将来的に移住も可能なんだろうか?
僕はオーストラリアの大学院で会計学を専攻していました。日本に帰国してUSCPAを取得する以前は、オーストラリアで会計士を目指していました。僕自身の経験を踏まえ、USCPAがオーストラリアで活躍できる可能性について紹介します。
✔︎この記事を読むメリット
- オーストラリアの会計士の事情を知る
- USCPAがオーストラリアで働く可能性を知る
- USCPAがオーストラリアに移住できる可能性を知る
✅本記事のコンセプト:USCPAはオーストラリアでどのように活用できるのかを紹介。読者はオーストラリアでのUSCPAの認知度や有用性を知り、「海外で働く」選択の中の1つとして検討できる。
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オーストラリアの会計士事情
日本では弁護士・医師と並ぶ3大難関資格として知られる公認会計士ですが、オーストラリアでの会計士の評価はどのような感じなのでしょうか。
結論を先にいうと、オーストラリアでの会計士の地位は日本と同様にすごく高いです。CA(Chartered Accountant)とCPA(Certified Public Accountant)という2つの会計士資格があり、会計士として活動する人は大体このどちらかを保有しています。
幅広く認知された会計士団体に認可されている会計士は難関資格として知られ、社会的信用の高いプロフェッショナルとして働くことができます。
日本と異なる点で注目すべきなのは働き方で、公認会計士=監査法人というわけではなく、オーストラリアの会計士はそれぞれ個人のキャリアプランに合わせた仕事を選んでいる印象です。
その高い評価と社会的信用から、様々な業界で高待遇の仕事に就きやすいのが特徴です。
オーストラリアの求人サイトでCA、CPAで検索すると、企業の経理責任者や財務分析、金融機関、会計事務所などの求人が多くみられます。このような求人の特徴としては、年収が高く、労働環境が良い。加えて会社の社会的名声も高いことが多く、会計のプロであるCAやCPAホルダーとしてふさわしい仕事に就くチャンスを手にできるのはオーストラリアで会計士を目指す上で大きな魅力となるでしょう。
ここで考えたいのが、その難易度ですよね。オーストラリアで会計士になるのはどのくらい難しいのか。ここが問題です。
これははっきり言って、すごく難しいです。
その理由として、オーストラリアで会計士を目指す(CAやCPAのプログラムに申し込む)にはオーストラリアで取得した会計単位が必要です。
年齢が若く、経済的に相当な余裕があり、英語力も問題ない。このような場合を除いて、オーストラリアで大学に通い必要単位を取得するのは、お金・時間・英語の3つの理由からとても大変です。よほどオーストラリアでの進学に興味がないと、オススメできる道ではありません。
無理やん。オーストラリアで会計士は諦めよ。。。
待ってください。
日本人がオーストラリアで大学を卒業することなく、会計士を目指せる抜け道はあります。それがUSCPAの相互認証制度です。
相互認証制度とは、協定を結んでいる国と、お互いの会計士資格を認め合いましょうという制度です。そして、オーストラリアと米国はこの相互認証協定の関係にあります。つまりUSCPAを取得すれば、オーストラリアでCA、CPAの資格が認められ、同国の公認会計士として活動することができるのです。すごくありがたい制度ですね。
USCPAは米国の資格なので、日本を含む世界中で認知されています。その中でもオーストラリアは、その給与水準の高さや整備された労働環境など、かなり魅力的な選択肢の1つになるのではないでしょうか。
*追記:2022年10月に、念願だったオーストラリア公認会計士(CPA)として正式に登録できました!別の記事で、申請の過程から登録に至るまでの経緯を書きましたので、ぜひそちらも読んでみてください。
⇒【USCPA】相互認証制度を利用してオーストラリア会計士を取得します
USCPAがオーストラリアで働く可能性
日本人のUSCPAホルダーがオーストラリアで働くにはどのような選択肢があるでしょうか。
海外なので意外かもしれませんが、実はキャリアのスタートとしては、日系の一般企業がオススメです。
オーストラリアの都市部には、多くの日系企業があるので、応募先がなくて困るということはありません。そして海外であっても、日系企業では日本語でコミュニケーションが取れ、文化も理解している日本人が好まれる傾向が強く、採用を取りやすい相手だといえます。日系企業とはいえ、オーストラリアに存在する会社ですので、オーストラリアの基準に従った給料や福利厚生を享受できます。
オーストラリアの給与水準はとても高く、最低賃金は時給だと約2000円(土日祝や残業、深夜勤務は大幅にアップ)、年棒契約だと約500万円です。プラス3週間の有給休暇(余った分は年度末に現金に換算され支給される)と1週間分のSick Leave(病気の時に使える有給)があり、年金は日本のように給料から引かれるのではなく、基本給は満額支給した上で、雇用主は上乗せする形で年金該当金額を拠出します。
このような好条件は、オーストラリアで登記している以上、日系企業であっても同じです。最初から好条件で働ける環境は、特にキャリアの浅いUSCPAにはとても魅力的です。
しかしそれでも、「オーストラリアまで行って日系?どうせならローカル企業に就職したいよ」こう思う気持ちもわかります。
ですが残念ながら、それはすごく難しい選択です。
オーストラリアでローカルのまともな仕事にコネなしで就くには3つ大切な要素があります。
「ビザ」「経験」「英語力」です。
これらはどれも欠かせないですが、特に「ビザ」の部分で、フルタイムの会計士の仕事は永住権がないと応募すらできないことが多いです。加えてオーストラリアの仕事は職種を問わず、実務経験を重視する傾向にありますので、会計士としての経験がないと関連職に就くのはハードルが高いです。
これらの要素に対して圧倒的に寛容なのが「日系企業」です。
先述のとおり、日系企業はできれば日本人を雇いたいことが多いのですが、求める人材は少ないのが現状です。ましてや、長期滞在を視野に入れている人には企業側もなかなか出会えませんので、ビザや経歴の条件を甘くして求人活動していることがよくあります。
まずは日系企業で「永住権」の問題をクリアしながら、実務経験を積みましょう。それらの条件が揃い、英語力が伴うなら、いよいよローカル企業への転職も視野に入れることができます。
将来のビジョンとして、オーストラリアのローカル企業への就職を目指すのはとても良い選択肢だと思います。それを実現させる条件を揃えるためには、最初は日系企業で必要なピースを揃えていくのが比較的容易であり、実現性のある方法ではないでしょうか。
USCPAの海外転職について紹介している記事ですので、良かったらこちらも参照ください。
USCPAがオーストラリアに移住できる可能性
USCPAを取得、相互認証制度を活用してオーストラリアの公認会計士資格も取得したら、次に気になるのは「移住」の可能性ではないでしょうか。
オーストラリアへの移住は年々難しくなっていっています。特に2015年以降、それまでは比較的簡単な道だった、オーストラリアの大学卒業からの永住権の取得が極めて難しくなりました。
ではオーストラリアへの移住は不可能なのか?
そんなことはありません。「困難」ですが、「可能」なのは確かです。
現在の状況で最も再現性の高い方法は、前章でも紹介した日系企業に勤め、就労ビザ経由で永住権を取得する方法です。
その理由はやはり、日系企業が求めている人材がオーストラリアに不足していることです。
日本語・英語ともに堪能であり、長期滞在の意志がある。加えてUSCPAホルダーは会計士という専門性での付加価値もつけられますので、日系企業であるなら比較的簡単にビザスポンサーをしてくれる企業は見つけられると思います。
「移住目的で渡航したけど、ビザスポンサーが見つからなかったらどうしよう。。。」このような不安は痛いほどわかります。
これに対処するには「情報」しかありません。
例えばシドニーを例に紹介します。
生活ウェブサイトJams TVには留学生向けのバイトの求人がメインでありながら、「ビザサポート」求人も多くみられます。求人には掲載していなくても、「優秀な人がいたらビザを出して働いてほしい」と考えている経営者はたくさんいますので、求人に上がっている会社に問い合わせて情報収集するのがよいかと思います。
情報に関してもう一つ大事なのは「人からの情報」です。特に実際に就労ビザを取得した人や目指している人からの情報は活きた情報なので積極的に取りに行きたいです。
オーストラリアに限らず、海外での日本人コミュニティというのは小さいもので、自分の行動次第で、経営者なんかにも結構会うことができます。そこからビザスポンサーにつながるなんてことは決して珍しいことではないので、「人からの有益な情報」も意識して行動するといいと思います。
USCPAが会計士としてオーストラリアへ移住するのは、少し長期戦になりますが、不可能ではありません。移住が実現できれば給料も高く、ワークライフバランスの取りやすい海外生活が満喫できる人生が見えてきます。挑戦する価値は、十分あるといえますね。
実はオーストラリアは起業して自分のビジネスをスタートさせるのにも非常にオススメの国です。オーストラリアでの起業についてはこちらをどうぞ。
まとめ
USCPAがオーストラリアで会計士として活動する際の環境や可能性について紹介しました。
僕自身、会計士を目指し始めたのはオーストラリアで会計を学んだことがキッカケでした。USCPAとして現在日本で働いていますが、今回紹介したようなオーストラリアで会計士をすることもとても魅力的だと感じており、将来のキャリアとして候補の一つとしています。
本記事がUSCPAの方のキャリア形成に少しでも役立てば嬉しいです!
ここまで読んでくれてありがとうございます!
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こちらの記事では、海外移住についてより詳細に書いてます。