USCPA合格後は監査法人への転職は可能なのかな?実際に勤務しているUSCPAはどんな感じで働いているんだろう?
僕は30代未経験でしたが、USCPA合格後に監査法人への転職に成功しました!これまで転職の経緯を紹介してきましたが、勤務開始から3ヶ月経ったので実際に働いてみての感想や職場環境などを紹介します!
✔︎この記事の内容
- 業務内容
- 職場環境
- 会計知識
- 英語の使用
- 30代未経験USCPAが監査法人で働いてみた感想
✅本記事のコンセプト:30代未経験のUSCPAが監査法人での勤務状況をシェア。今後USCPAを取得し監査法人への転職を検討している読者は、転職活動やキャリアの方向性の選択に活用できる。
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筆者の経歴
転職においては、「どんなスペックで挑んだのか」の情報がないと参考にしづらいと思いますので、簡単に僕の経歴を紹介しておきます。
- 日本で大学卒業後、海外営業として就職。約2年働く
- オーストラリアへ渡航。大学院へ進学し、会計学を学ぶ
- 現地企業に就職。経理責任者として実務経験を積む
- 日本へ帰国し、起業。コロナ騒動で即倒産。
- 苦境から脱出したい一心でUSCPAへの挑戦を決意
- 8ヶ月で全科目一発合格、ワシントン州ライセンス取得
- 30代未経験でありながら、監査法人への転職に成功。
- 日々業務を通じて会計士としての市場価値を高めながら、関連情報を発信中
年齢は30代、監査経験なし、USCPA全科目合格は2021年4月です。
業務内容
まずはこの3ヶ月、どんな業務をしてきたのかを紹介します。
勤務場所は3つに分かれ
- クライアント訪問
- 在宅
- オフィス
場所によって業務が違うので、それぞれ紹介します。
クライアント訪問・往査(Visiting)
往査とは、監査をするクライアントの会社を訪問し、現地で作業することです。
現金や棚卸在庫の確認や担当者への質問など、実際に現地へ行かないとできない業務を行い、調書を作成します。
実査(Inspection)
実査とは、期末日当日や直後にクライアントを訪問し、担当者と一緒に手元現金の勘定、銀行口座や有価証券が実際にあるのかを、監査人が自らの目で確認することです。実際に訪問・計算・目視により確認することで、財務情報に関して信頼性の高い保証を得るための手続きです。
レビュー(Review)
四半期レビューは期末監査に向けて、定期的に財務状況をチェックしたり、クライアントの話を聞いて、会社の経営状況を把握するために行います。アドバイザリー的な要素を含むことが多いように思います。
内部統制評価(Internal Control)
会社が事業を行う上で、資本を効率よく運用できているか、その過程に想定されるリスクに対応するシステムを整備し、実際に機能しているか、などを評価します。期中に内部統制を評価・整備しておくことで、期末監査の負担を和らげる効果もあります。
期末監査(Financial Statement Audit)
企業の1年間の業績を集約した財務諸表を監査し、監査人が意見表明します。
在宅
コロナ騒動により在宅勤務の導入が行われました。
実際、家でできる作業は多く、数ヶ月に1度のクライアント訪問以外は在宅で働いている人もいます。
在宅勤務で行う業務の例を紹介します。
突合作業(Vouching)
企業が作成した経理データが、根拠となる資料と一致しているかを確認する作業です。
例えば仕入額が正しいことを確かめるには、仕入先からの請求書が存在し、銀行口座に支払履歴があり、それらが正しく仕訳処理されているかを確認します。
資料データまとめ(Data arrangement)
数字の分析や必要なデータを抽出するために、エクセルデータを編集する作業です。
調書作成(Documentation)
担当の勘定科目や内部統制事項に対して上記のような必要な作業を行い、得た結果を長所にまとめる作業です。
オフィス
業務内容は在宅と重なることが多いですが、オフィス勤務の目的はチームで集まって仕事をした方がコミュニケーション効率が良い場合や、オフィスにある資料を必要とする作業をする時にオフィス勤務をします。
これは好みの話ですが、僕は在宅よりオフィス勤務の方が気持ちにメリハリがつくので働きやすいです。仲間とのコミュニケーションも取りやすいです。
往査準備
クライアント会社への訪問の準備です。
過去の調書や必要な監査ツールを荷物にまとめ、発送します。
確認状発送
銀行残高や、債権債務残高、訴訟の有無、証券保有の有無などの情報が正しいのかを確認するため、監査人が金融機関や弁護士に確認状を送付します。
職場環境
3ヶ月ほど勤務してみて、職場環境に対する正直な感想を紹介します。
職場の雰囲気やルール
これまで日本と海外の一般事業会社で働いてきましたが、現在務める監査法人の職場環境は極めて良いと言えます。
- 給料が高い
- OJTの制度がしっかりしている
- パワハラ的な空気は皆無
- 繁忙期・閑散期がはっきりしているので休みが取りやすく、ワークライフバランスを保ちやすい
- 無駄な社内ルールがない
- 業務を通じて専門性を高められる
など、良いところを挙げるとキリがないほど今の職場環境には満足しています。
人間関係
人間関係もとても良いと感じます。
前述したようにパワハラのようなことはありませんし、社交的な人も多く(変わった人も多いですが全くの無害)話していて楽しい人が多いです。一般的な会社勤務のイメージと比較すると、コミュニケーションで気を害されることは限りなく少ないと言ってもいいと思います。
給料など
多くのネット記事で情報が出回っているとおり、実際に監査法人の給料は比較的高いです。
500万円~が一般的であり、マネージャークラスになると1000万円を超えていることも珍しくないでしょう。
業績次第ではこれに上乗せでボーナスが支給されますので、年収はさらに上がることになります。
日本の会社員の平均年収は450万円前後であることを考えると、監査法人の給与水準は明らかに高いと言えます。
会計知識について
監査法人で働く人のほとんどが、日本の公認会計士か試験合格者です。
日本で弁護士の予備試験の次に難しいと言われている資格試験の合格者とUSCPA試験合格者では、会計知識にかなり差があります。
USCPAでは仕訳についてや複雑な会計処理をそれほど勉強しませんので、これは仕方ありません。
しかし監査法人で働く以上、最低限同じ水準・言語でコミュニケーションが取れるだけの会計知識は必要です。
業務を通じて学んでいけるところもありますが、財務会計・管理会計の知識は自分でも学習した方がいいでしょう。
簿記学習の経験がなくUSCPAに合格した人は、簿記1級・最低2級レベルの知識を学習しておくと、知識的にはかなり補填できるかと思います。
簿記についてはこちらもぜひ読んでみてください。
英語の使用頻度
USCPA試験に合格する人は英語が比較的得意なので、業務に活かしたいと考える人も多いでしょう。
やはり会計士業界で活躍していくには、会計知識以外のところで強みが必要です。USCPAとしては、英語を活かしていきたいところです。
業務での英語の使用頻度は今のところ30%~50%程度です。
今はまだ監査の基本になれることが優先なので控えめですが、グローバルな仕事は常に増加傾向にあるので、今後英語を使う仕事を担当することは増えていくみたいです。
30代未経験USCPAが監査法人で働いてみた感想
未経験からの転職で3ヶ月が経過した現在の感想を素直に書きます。
最初は経験・知識不足でかなり苦労しましたが、3ヶ月経ちだいぶ慣れてきたと感じています。
業務も2回目・3回目の経験となる作業が増えてきてわかることが増えたことや、人間関係にも慣れてきて質問しやすくなったりと、最初に比べるとずいぶん楽になりました。おそらく半年・1年と経験を積んでいくごとにこの感覚は大きくなり、成長につながると思うので引き続き頑張ろうと思います。
前述したように、会計や監査の知識はまだまだ勉強が必要だと感じます。
個人的には、「USCPAだから日本の会計を知らない」という状態ではいたくないので、業務と自己学習を通じて会計士としてふさわしい知識を身につけたいと思っています。
そして、日本の公認会計士と一緒に仕事ができる監査法人という環境はとても勉強になり、大きなキャリアアップに繋がると確信しています。英語を使用する業務も今後増えていくようなので、グローバルな会計士を目指せるありがたい環境です。
専門性を高められ、ビジネスマンとして大きくレベルアップできて、職場環境は抜群に良い。本当に人生を飛躍させられる可能性があるので、監査法人はUSCPA試験合格者にはめちゃくちゃオススメの転職コースです。
監査法人への転職活動についてはこちらもぜひ読んでみてください。
まとめ
30代未経験USCPAが監査法人で働いてみた感想(3ヶ月経過編)でした。
結論、今僕は監査という仕事を楽しいと感じています。
日々成長も感じられ、1年後、2年後を楽しみにできる職場環境に大満足です。
あの時USCPA試験を頑張って、監査法人に転職して本当に良かったと感じています。
今後、監査法人への転職を検討している人の情報収集に少しでも役立てば嬉しいです!
ここまで読んでくれてありがとうございます!
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