USCPAを取得して監査法人への転職を考えています。USCPAは日本公認会計士とは仕事内容や役割は違うのかな?
USCPAを取得して監査法人へ転職しました。法人内には僕のようなUSCPAの転職組もそれなりに存在します。今回はUSCPAの監査法人での仕事内容、法人内での立ち位置や役割について紹介します!
✔︎この記事の内容
- USCPAの監査法人での仕事内容
- USCPAの監査法人での立ち位置
- USCPAが監査法人で活躍できる可能性
✅本記事のコンセプト:USCPAを取得・未経験から監査法人へ転職した筆者が、USCPAの監査法人での仕事内容や立ち位置を紹介。読者は資格取得や転職を検討する際に、USCPAがどのような役割を担っているのかを知ることで、より具体的に考えることができるようになる。
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USCPAの監査法人での仕事内容
USCPA(米国公認会計士)が監査法人で働くことになると、国際資格保有者といった特性を活かし、近年増加し続けている「国際監査」に従事することが多くなるかと思います。
一方で監査法人には当然日本企業の監査も多くあるので、一定の割合で日本語の仕事もすることになります。
「英語ジョブ」と「日本語ジョブ」について見ていきましょう。
英語ジョブ
USCPA(米国公認会計士)の肩書から想像できるように、USCPAは英語を使用する業務を行うことが多くなります。
社会のグローバル化に伴い、監査法人の業務でも英語の使用を要する案件は常に増加し続けています。
例えば海外企業の日本子会社であったり、国際展開している日本の企業の監査では英語でのコミュニケーションや文書作成が必要になります。
一方で、日本では英語を業務レベルで使いこなせる会計士は圧倒的に不足しているのが現状です。
そのような背景から、英語が使用できることが前提となるUSCPAには自然と英語ジョブが集中することになります。
日本語ジョブ
USCPAだからといって、日本語の仕事は全くしないかというと、そうではありません。
大手監査法人の場合はきっちりと部署が分かれているので英語の仕事に特化することもありますが、ほとんどの中小監査法人では英語ジョブと日本語ジョブを兼任することになります。
日本語の仕事では、金商法監査や会社法監査、IPO監査など日本公認会計士と同じ仕事を行います。
J-CPAと仕事をすると初めは会計知識の差に苦労しますが、実際すごく勉強になります。
将来的に英語の仕事に特化していくとしても、日本で仕事をする以上、日本の会計基準や関連法律は知っていると知らないのでは仕事のしやすさに大きな差が生まれるでしょう。
個人的には、せっかく監査法人で働いているなら、日本語の仕事も積極的に手を挙げていく方が勉強にもなりますし、法人内での信頼獲得につながりやすいと思います。
USCPAの監査法人での立ち位置
公認会計士、もしくは公認会計士試験合格者のほとんどが監査法人を就職先に選びます。つまり監査法人で働くことになると、同僚の大半は日本公認会計士です。
そんな環境の中、USCPAは監査法人内ではどのような位置づけになるのでしょうか。
USCPAの監査法人での立場や立ち位置について見ていきましょう。
日本公認会計士との関係
日本公認会計士試験は、弁護士になるための司法試験と並び、国内で最も難しい試験の1つです。
そんな難関試験を突破した日本公認会計士と比較すると、USCPA試験合格者の会計知識はかなり見劣りします。前章でも解説しましたが、初めは会計知識不足に苦労するかもしれません。
日本の会計士はみんな同じ試験を突破した人たちですから、前提とする知識レベルを共通認識として持っています。USCPAは異なる試験であることから、これはUSCPAとは共有できない認識になります。
「USCPAにどの程度仕事を振っていいのかわからない」と日本の会計士が言っているのを聞いたことがありますが、それは上記のように会計知識が担保されていないからでしょう。
一方で仕事をこなしていき、ある程度信頼を得られたら日本側からも英語の仕事を任されやすくなります。
日本公認会計士も例外に漏れず英語が苦手な人が多いので、「英語の仕事はあの人に任せよう」と思ってもらえる関係になれれば、日本公認会計士の集団の中でも住みやすくなると思います。
USCPA同士の関係
USCPAを採用している法人であれば、当然自分以外のUSCPAとも働くことになります。US同士はどのような関係になるのでしょうか。
個人的な経験上、大きな国際案件の場合はUSCPA同士で協力して仕事をすることもありますが、USCPAは法人内で様々な現場に分散されて配置されているように思います。
やはりこのご時世、全く英語を使わない仕事は珍しいので、USCPAでチームを固めるよりも各チームに1人いるぐらいの方が法人全体で見るとバランスが良いのでしょう。
現場が一緒になることがなくても、監査法人内でUSCPAは少数派なので親近感はあると思います。
日々の業務のことや、IFRS(国際会計報告基準)の知識などを共有できる頼れる仲間たちです。
USCPAの監査法人勤務についてはこちらの記事も読んでみてください。
USCPAが監査法人で活躍するためには
ここまでで紹介したように、監査法人とは公認会計士の集団の中で働くことになるかなり特殊な職場です。
そんな環境の中、USCPAとして監査法人で活躍するためにはどのようなことに注意していけば良いかを紹介します。
グローバルな法人を選ぶ
まず大切なのは、法人選びです。USCPAが活躍するには「グローバルな法人」を選ばなくてはなりません。
大手監査法人やある程度規模の大きい中規模監査法人はそれぞれ国際グループネットワークを持っていますので、国際的な案件を多く持っています。
例えば大手なら以下のネットワークを持っています。
- 新日本→EY
- トーマツ→Deloitte
- あずさ→KPMG
- PwCあらた→PwC
一方で規模の小さな監査法人や会計事務所では国際案件を取り扱っていないところもあります。
USCPAがその特性と英語力を武器に監査法人で活躍していくには、ある程度規模が大きく国際ネットワークを持っている監査法人を選ぶ必要があります。
IFRSやUSGAAPに詳しくなる
監査法人がUSCPAに期待するのは、やはり国際監査での活躍です。
外資系などのグローバル企業では、IFRS(国際会計報告基準)やUSGAAP(米国会計基準)を採用していることがほとんどで、英語力や会計知識に加えてこれらの国際・米国の会計基準に詳しいと法人内でもかなり頼りにされることでしょう。
簿記を学んでおく
先述のとおり、USCPAの会計知識は監査法人で仕事をするには不足していると言わざるを得ません。
知識不足を補うためには、簿記の勉強をすることを強くお勧めします。
僕自身、初めは会計士同士の会話内容が理解できないこともありましたが、簿記を学習したおかげで今はそのようなことはほとんどなくなりました。
最低でも2級、できれば1級レベルの知識を習得しておくと、監査法人で働くのはずいぶん楽になります。
USCPAと簿記について書いた記事です。
英語が業務で使える
最後に紹介するのは「実務で使える英語力」です。
「USCPA試験は英語なんだから、英語はできて当たり前なんじゃないの?」と思うかもしれませんが、試験に合格できる英語力と実務で通じる英語力には結構差があります。
英語ジョブ担当として活躍するには、読む能力だけでなく、書く・聞く・話す能力も当然必要です。
先述しましたが、USCPAが監査法人で活躍するには、英語力の優位性が必須です。
特に日本人はアウトプットが苦手な人が多いので、監査法人で活躍するなら、英語でしっかりアウトプットできる力を身につけておいた方がいいと思います。
まとめ
USCPAの監査法人での仕事内容や立ち位置を紹介しました。
監査法人での仕事は大変ですが、その分学びもすごく多く、USCPAとして大きく成長できる環境だと思います。
日本公認会計士の集団の中で活躍するには、それなりの努力と工夫が必要です。
しかしUSCPAにはUSCPAの長所があり、それを活かすことで監査法人内でも活躍していくことはできます。
本記事がUSCPA試験合格や、監査法人への転職を検討している人の役に少しでも立てば嬉しいです!
ここまで読んでくれてありがとうございます!
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