将来は海外で起業してみたいと考えています。実際に海外で起業したことがある人の体験が聞いてみたいな。日本で起業するのと比べて、どんなメリットがあるのだろう?
僕は現在、USCPA(米国公認会計士)として日本で活動しています。以前は海外に長期で滞在していたのですが、その時に現地で起業したことがあります。僕の実体験をもとに、海外起業の実情やメリット・注意点などを紹介します!
✔︎この記事の内容
- オーストラリアでの起業体験
- オーストラリア起業のメリット
- オーストラリア起業における注意点
✅本記事のコンセプト:現在USCPA(米国公認会計士)として活動、海外での起業経験のある筆者が海外起業のメリット・注意点を自身の体験をもとに紹介。読者は海外で起業するという、魅力的な人生の選択肢を1つ増やすことができる。
✔︎筆者のプロフィール
地元で最低偏差値の高校出身、大学卒業時のTOEIC370点。アメリカへ行ったことがキッカケで英語と海外に興味を持ち、人生が変わり始める。
会計・経理の知識ゼロからオーストラリアの大学院で会計学修士号を取得。日本へ帰国後、8ヶ月の独学でUSCPA試験に全科目一発合格→ワシントン州ライセンス取得。相互認証制度を利用し、オーストラリア公認会計士(CPA)を取得。現在は監査法人にて勤務、USCPAと英語を活かしたキャリア形成を図る傍ら、ブログ・TwitterにてUSCPAや海外でのキャリア形成に関する情報を発信中。
Twitterでは、USCPAに関すること、海外での可能性などの有益な情報発信を頑張っています。DMで質問も受け付けていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください!
Twitter ➡️➡️➡️ パラゴン@USCPA→海外で独立に挑戦中
オーストラリアでの起業体験
まずはじめに、僕自身のオーストラリアでの起業体験を紹介します。
個人的な経験をシェアする理由としては、僕はたまたまオーストラリアで起業しましたが、条件の類似した国やビジネスモデルは世界のいろんなところで見つけられると思うからです。
たとえ違う国で全く違うビジネスをする場合でも、僕の起業体験から使える情報があると思いますので、何か1つでも有益な情報を見つけてもらえれば嬉しいです!
宿泊施設
最初に始めたのが、旅行客に宿を提供する宿泊業です。
物件を賃貸で借り、エアビーで貸し出すというシンプルな事業です。
メリットは始めてから最初の収入を得られるまでが速いこと、予約はサイトが自動で行ってくれるので一度作り込めば比較的運営が楽なことが挙げられます。
逆にデメリットは物件を借りる時にそれなりに大きな初期投資がかかること(オーストラリアでは家賃4週間分をデポジットとして預けるのが決まりになっています)、旅行シーズンに影響されるので年間を通して収入が安定しづらいことです。
シェアハウス
最初の宿泊事業から派生して、次は留学生向けのシェアハウスの運営を行いました。
これも立ち上げの手順は旅行客用の宿泊施設と同じで、不動産会社から物件を賃貸で借りてシェアハウスを作ります。
異なる点としては、賃貸物件にはエアビーOKなものとNGなものがあり、OKな物件は家具付きなことが多いです。
一方シェアハウスを作る際に借りる物件は一般の賃貸物件なので基本的に家具はついていません。と、なると家具代の初期費用もプラスで用意しなくてはなりません。
もう一つシェアハウスが宿泊施設に比べて大変なのは、集客は自分で行う必要があるので手間がかかります。
その一方で大きなメリットとして、シェアハウスのお客さんは基本的に長期滞在者であり、気に入ってくれるとずっと住んでくれます。
そうなると収入は安定し、空室の心配もしなくていいので、かなり条件の良い不労所得とすることができます。
留学エージェント業
留学エージェントとは、留学生の学校や滞在先、場合によっては飛行機や保険の手配を行う事業です。オーストラリアには数多くの留学エージェントが存在し、それぞれの個性やネットワークを活かして日々集客しています。
そんな中、僕が特化したのは「スポーツ選手留学」でした。
シェアハウスを運営していく中で、日本の大学でスポーツに従事したのち、卒業後すぐに就職せずオーストラリアでスポーツ選手として過ごす留学生がそれなりに存在することに気が付きました。
幸いシェアハウス内にいたスポーツ選手留学生のネットワークを使い、集客のルートや選手の紹介先を確保することができ、エージェント業を始めることができました。
この事業の良いところは、宿泊施設やシェアハウスのように大きな初期費用を必要としないこと、またスタート後も固定費がほとんどかからないことでしょう。
注意点としては、選手・紹介先の両方と密なコミュニケーションが必要であり、そこそこ手間はかかります。
選手の代わりに条件の交渉を行う必要があるなど、それなりに英語力も必要です。
オーストラリア起業のメリット
これまで紹介したとおり、僕は小規模ながらオーストラリアで事業を作り、結果的にどれもそれなりにうまくいきました。
本章では日本と比較した場合のオーストラリアで起業するメリットを紹介します。
僕の事業がうまくいった理由も改めて考察・分析したのでそちらも紹介しながら進めていきます。
希少性が高い
日本ではなく、あえてオーストラリアで起業する一番大きなメリットは、日本人というだけで高い希少性を持てることです。
日本語でコミュニケーションが取れることや、日本の文化を理解していることで有利に事業運営できる市場は実際海外にも多く存在します。そのようなマーケットを見つけることができれば、集客を始めとする事業活動がとてもやりやすくなります。
例えば飲食業なら、本来の日本食の味や接客の質の高さを知っていないと現地で再現することは難しいですし、美容サロンでも日本クオリティを求めるお客さんにとっては、やはり日本人スタイリストが好まれます。
実際僕も、宿泊施設やシェアハウスのお客さんから「日本人オーナーは安心」と何度も言われたことがあります。
海外に旅行や留学で訪れる人たちのほとんどが英語をあまり得意としませんので、言語の面でも文化の面でもサポートできる日本人は高い希少性を持って事業を運営できます。日本での起業にはない、旨味があるといえます。
いきなり起業するのではなく、まずは現地で働いてみたいという方は、こちらの記事も読んでみてください。
事業登録が楽
オーストラリアで事業をスタートする際には、日本の場合と同様に事業登録が必要になります。
政府に申請し、ABN(Australian Business Number)を発行してもらうのですが、この手続きがとても簡単で楽です。
申請は全てオンラインで完結するので、めんどくさい書類の手書記入や役所へ足を運び長時間待たされることもありません。ABNは申請直後、即日発行されますのですぐに事業を開始できます。
集客に便利なツールが豊富
オーストラリアには「Gumtree」という有名な生活サイトがあり、ここで集客を行うことができます。
Gumtreeでは求人、賃貸物件、物販、サービス、コミュニティなど、様々なジャンルを掲載できるので自分の商品やサービスを宣伝するのにとても便利です。
サイトは英語での使用になりますが、そのぶん国や州全体へ向けた集客活動ができますので、より多くの人にアプローチできます。
ちなみにGumtreeは無料で利用できます。(有料プランあり)
日本人向けに宣伝したいなら「Jams TV」や「Cheers」といったWebサイトが便利です。
JamsとCheersは、Gumtreeの日本語バージョンのようなもので、生活全般の情報や求人、モノ・サービスの売買、イベントの宣伝に使われています。
この2つのサイトは日本語で利用できるサイトで、オーストラリアで暮らす日本人のほとんどが利用しています。日本人をターゲットにするなら活用必須だと言えます。
ちなみにJamsとCheersも無料で利用できます。
前章で紹介した僕の事業がうまくいったのは、間違いなくこれらのサイトをうまく活用できたからです。
費用をかけずに効率的に集客でき、さらに口コミが次のお客さんを呼んでくれるという非常に良い流れを早い段階で作れたのが大きかったと思います。
オーストラリア起業における注意点
上記のように、オーストラリアでの起業には国内で起業する場合にはない、優れたメリットがあります。
その一方で、注意点ももちろん存在します。
本章では、オーストラリアでの起業を検討する時の注意点を紹介します。
家賃・人件費が高いので固定費に注意
オーストラリアの物価は基本的に日本より高いので、事業にかかる費用の見積もりを日本の物価感覚でやってしまうと大幅にずれてしまう可能性があります。
特に家賃には要注意で、都市部の家賃は東京の都心部並みか、それ以上だと考えておいた方がいいです。
店舗やオフィスを構える事業を計画するなら、最大の固定費となるであろう家賃で失敗しないことは、ビジネス成功の大きなカギになります。
また、オーストラリアの賃金水準も日本よりはるかに高く、雇用を考えているなら注意が必要です。
最低時給が約25ドルであったり、固定給の場合も職種により最低年収が法律で定められています。そのほとんどが5万ドル以上となっています。
家賃・人件費は多くのビジネスにおいて、費用の多くを占める重要な項目です。
オーストラリアで起業する場合は、これらの費用についてはより綿密に計画する必要があると言えます。
長期で付き合える仲間は作りにくい
オーストラリア人や永住権を持っている人たちをのぞき、仲間ができてもみんないつか母国に帰ってしまう可能性が高いです。このような背景から、長期で付き合える仕事仲間を作りにくい環境だと言えます。
せっかく仕事を覚えてくれた仲間が帰国することになると、またその役割を担ってくれる存在を探さなくてはなりません。
経験するとわかりますが、人材募集は結構大変です。それなりに時間とお金を消費することになります。
日本で起業したとしても人材が去ってしまう可能性は当然ありますが、多くの場合、それは本人もしくは雇用側の意思によるものです。
オーストラリアの場合、たとえ双方とも雇用関係を続けたいと思っていても、ビザが更新できないと残れません。その分、雇用・離職のサイクルが頻繁に起こりやすくなります。
なんだかんだで外国である
海外に長期滞在した経験のある人はわかると思いますが、日本で生まれ育った人にとっては、いろんな意味で日本の暮らしやすさは群を抜いています。
その理由の一つに、日本人同士でのみ通用する「暗黙のルールや文化背景」を感覚レベルで理解しているというのがあると思います。
行政、法律、文化。いわゆる「日本ではこうなんだ」が通用し、多くの日本人にとってそのような感覚は共通認識として持っているでしょう。
起業には様々なサプライズがつきものですが、文化的な意味では日本で起業してそう驚くことはないでしょう。
しかしこれが海外での企業となると、常識の根底はひっくり返されます。常識やマナー、コミュニケーションの取り方など、これまで自分が当たり前としてきたことが通用しないことに多く遭遇します。
前述のとおり、ただでさえ起業すると様々な困難が出てくるものですが、海外で起業するとそのような文化背景によるサプライズも潜り抜けていかなくてはなりません。
オーストラリアは非常に暮らしやすい国であり、ほとんどの場所で日本と同等の安全な生活を送れることは事実です。
しかし、事業を営むとなると文化の違いから「なんだかんだで外国」である難しさは出てくると思います。
まとめ
オーストラリアでの起業について紹介しました。
日本での起業とはまた違ったメリットがあり、海外起業の中でもオススメできる選択だと思います。
本記事では僕自身の経験をベースに紹介しましたのでオーストラリアとしましたが、他の国での海外起業においても共通するところは多々あると思います。
本記事が海外進出を検討する起業家の方々の情報収集に役立ち、海外起業への一助となれると嬉しいです!
以下の記事では海外移住のステップを具体的に解説していますので、そちらもぜひ読んでみてください。
ここまで読んでくれてありがとうございます!
Twitterでは、USCPAに関すること、海外進出の可能性などの有益な情報発信を頑張っています。DMで質問も受け付けていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください!
Twitter ➡️➡️➡️ パラゴン@USCPA→海外で独立に挑戦中