USCPA(米国公認会計士)を取得して転職を考えています。合格したら未経験でも監査法人や経理関連の仕事に採用される可能性はあるのかな?
僕はUSCPAとして日本で活動しています。現在の勤務先は監査法人ですが、試験合格時は全くの未経験でした。自分の経験から考えて、未経験のUSCPAが転職を有利に進めるにはちょっとした工夫が必要だと思います。僕の経験と転職エージェントから聞いた情報をもとに、未経験USCPAが転職活動で有利になるたに具体的どんな準備をすればいいのかを紹介します!
✔︎この記事の内容
- USCPA(米国公認会計士)について
- USCPAの転職市場での評価
- 実務未経験のUSCPAが転職活動でやるべきこと5選
✅本記事のコンセプト:USCPA試験合格後、実務未経験から監査法人への転職に成功した筆者が未経験のUSCPAが転職活動の際にやるべきことを厳選して紹介。USCPA試験合格後に転職を考えている読者は、本記事の内容を実行することで転職活動を有利に進められることができる。
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USCPA(米国公認会計士)について
米国公認会計士(USCPA)はU.S Certified Public Accountantといい、米国公認会計士協会が認めるアメリカの国家資格です。世界で幅広く認知されている資格であり、合格者は様々なジャンルでの活躍が期待されています。
試験は
- Financial Accounting & Reporting(企業財務会計及び公会計)
- Business Environment & Concepts(ビジネス環境及び概念)
- Auditing & Attestation(監査及び照明業務)
- Regulation(法規)
以上の4科目で構成されており、75点以上が合格点となります。全科目合格し、各州が定める条件を満たすとライセンスの申請が可能になります。
長期での学習になるので、学習計画をうまくたてれないと合格は一層難しくなります。自分にあった学習スケジュールを作成して挑みましょう。
USCPA試験や学習スケジュールについてはこちらをどうぞ。
米国の資格ありながら近年は日本での認知度も高く、転職市場で注目されている存在です。USCPAホルダーはプロの会計知識と高い英語力を備える人材として様々な業界・職種で活躍しています。
USCPAの転職市場での評価
USCPAの転職市場での評価は概して高いといえます。
要因として、国際社会における高い「需要」と、英語と会計知識を高いレベルで運用できる人材の「希少性」によるものです。つまり市場はUSCPAのような人材を求めているものの、USCPAは日本に多くは存在していません。評価が高くなるのも当然だといえます。
転職サイトで「USCPA」で検索すると多くの求人がヒットします。
監査法人、コンサル、商社、メーカー、ベンチャー、外資系企業などジャンルは様々です。一般的な求人よりも条件が良いものも多く、USCPAが転職市場で高く評価されていることが実際に見て取れると思います。
未経験USCPAが転職活動でやるべきこと5選
前章で説明したとおり、USCPAは転職市場で高く評価されており、合格者は転職活動を有利に進められる可能性が高いです。
しかし、いくら資格の評価が高いと言っても、中途採用の選考では実務経験者たちと勝負しなければなりません。
中途採用において企業は即戦力になれる人材を求めていることが多く、実際に実務経験者は選考でかなり優遇されます。そもそも数年の経験が応募の条件になっている求人も多いです。
僕自身を含め、USCPAに挑戦する人は現状を変えたくて合格を目指す人が多いので、未経験職への転職へチャレンジするのは珍しいことではありません。
彼らは、USCPAという資格には未経験からでも転職を成功させるパワーがあると考えているのでしょう。事実、それは間違いではありません。
ただ、未経験からの転職を成功させる可能性を高めるには少し工夫する必要があります。本章では、未経験のUSCPA試験合格者が転職活動を成功させるためにやるべき具体的な準備を紹介します。
質問を誘導する自己紹介
面接攻略のカギは、時間の使い方にあります。限られた面接時間の中で、どれだけ良い印象を与えられるファクターを作れるかです。このファクターをできるだけ多く作り出すために、自己紹介タイムをフル活用します。
面接の冒頭では、必ず自己紹介の時間があります。
自己紹介のあと面接官は履歴書・職務経歴書と、この自己紹介の内容から話を広げる質問をしてきます。
つまり自己紹介の内容は、そのまま面接の中心的な話題になる可能性大です。ということは、自己紹介の内容次第で面接官からの質問を誘導することができます。
たとえば留学の経験をアピール材料として話したいなら、自己紹介では留学に行ってとても良い経験ができたとサラッと触れておきます。質問の余白を残すために、決して深くは話しません。ほぼ100%、「留学での良い経験について教えてください」と質問されます。(僕の経験上、これはかなり有効な作戦です)
【自分が話したい内容について軽く触れる→質問される→アピールしたいことが話せる】という流れを作ることができるので、良い印象を与えるファクターを作りやすくなります。もう一つのメリットとして、上記の自己紹介で質問を誘導する方法を使えば、面接の大枠をテンプレ化できます。
話す内容が決まっているので、面接前に練習することができるため、本番でも自信を持って話すことができるようになります。堂々と話せる態度も、間違いなくプラス材料になるでしょう。
USCPAっぽいことを言える準備
面接にできるだけ受かりやすくするためには、当然ですが印象に残る人にならなくてはなりません。
この点において結構効くと思われるのが、面接で「USCPAっぽいことを発言する」です。
例えば監査法人への転職なら、国際会計基準や米国会計基準を実務で使用したエピソードを用意しておくと良いでしょう。実際にそのような経験がなくても、1つ使えそうな会計論点を見つけて前職に関連づけられればOKです。
商社やメーカー等への転職なら、コスト関連の知識や英語を活用して会社に貢献したエピソードなんかが良いかもしれません。ベンチャー企業なら、自身の企業経験やUSCPAとして企業家をサポートした経験が話せると印象に残ります。
このように、相手が求めるUSCPA像をあなたに見ることができるエピソードを面接で話すことで、印象に残り選考を有利に進められる可能性を高めることができます。
前職と関連性を見つける
未経験の職種に転職を試みる場合でも、多くの場合において前職との関連性を見つけることは可能です。何か応用して使えるスキルや経験を関連付けられると転職活動を有利に進めることができます。
例えば前職が営業だった人がUSCPA試験に合格し、未経験から経理職に転職をしたいとします。
経理職に必要な特性とはなんでしょうか。
なんとなく、几帳面でコツコツ作業ができる人といったイメージだと思います。
それも確かにありますが、実務において最も重要なことは「コミュニケーション」だと思います。
取引先、他部署との連携、部内での業務連絡と行ったように、経理職にもコミュニケーションは必須であり、うまくできるかどうかで仕事の能率は天地の差がつきます。
面接では経理職においてコミュニケーション能力が重要だという認識を面接官と共有した上で「前職の営業で鍛えたコミュニケーション能力を活かし、自分が採用されれば経理部周りのコミュニケーションを円滑にする自信があります!」といった具合に、USCPA合格+採用のメリットを提供します。うまくハマれば、選考は大きく有利に進められることでしょう。
簿記知識と英語力を鍛えておく
現実問題として、USCPA試験に合格した時点での簿記知識では、実務を行うにあたっては不足していることは事実として否定できません。
これはUSCPA試験が簡単と言っているわけではなく、試験の特性上「広く、浅く」学習することが求められるからです。
日本の簿記試験では簿記知識に特化した学習ができますので、特に仕訳に詳しくなれます。
正しい仕訳知識は経理業務を行うには必須です。簿記を勉強したことがなければ転職前に日商簿記2級レベルの知識をつけておくと「日本の簿記ルール」も理解していることをアピール材料にできます。
加えて、英語力を一定の水準まで高めておく必要があります。
USCPA向けの求人は多かれ少なかれ、英語力が求められると思っている方が良いでしょう。
USCPA試験は全て英語で実施されるので、全くできない人はいないと思います。しかし、USCPA試験は英語力を担保する試験ではないので、実務において英語がどのくらい使えるかは人によりかなりバラツキがあります。
企業側が期待する英語力を持っていないと、採用で不利になることは言うまでもありません。有利になる武器というより、不利にならないためにUSCPAとして最低限の英語力は身につけておいた方が良いでしょう。
会計以外に強みを作っておく
USCPAは会計士資格なので、会計知識を求められるのは当然です。採用側が見ているのは、会計プラス何ができる人なのかです。
これも上記の内容と関連しますが、前職での経験やUSCPA以外の資格などを何か強みとしてアピールしたいところです。
「USCPAだけでも大変なのに、他にアピールすることなんてないよ。。。」と思った人も安心してください。ここでの強みは、何もビジネス関連でなくても大丈夫です。
たとえば趣味から得た知識など、一見仕事とは関係なさそうなことでもOKです。何か好きなことには没頭できて、そこから何かを学べる人間性を持っている。これも立派なアピール材料として機能するでしょう。
まとめ
僕個人としては、USCPAはとても素晴らしい資格だと思っています。
合格すると確実に叶えたい転職が実現できる資格ではないものの、転職活動を有利に進められるようになることは事実です。そして、その効果は適切な準備をすることで大きく高めることができます。
このようなポテンシャルがある資格をうまく活用できないと非常にもったいないのです。できるだけ有利な転職活動を行うためにも、本記事の内容を1つでも実行してみてください。
本記事が読者の方の転職活動に少しでも役立てば嬉しいです!
USCPAを取得すると、海外就職の可能性も出てきます。海外で働くことに興味があればこちらもぜひ読んでみてください。
ここまで読んでくれてありがとうございます!
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