USCPA(米国公認会計士)を取得して監査法人への転職を考えています。監査法人は日本公認会計士と働くことになるので、一部ではUSCPAは使えない(仕事ができない)と言われてるって聞いたけど、本当かな?やっぱりUSCPAには働きづらい環境なのかな?
僕はUSCPA取得後、監査法人で働いています。監査法人では基本的にUSCPAと日本公認会計士の仕事内容に違いはありませんので、どうしても会計知識が見劣りがちなUSCPAが「使えない」と一部で言われてしまうのは仕方のないことかもしれません。
しかしそれは必ずしも事実ではなく、監査法人で活躍しているUSCPAもたくさん存在します。今回はUSCPAが監査法人内で「使えない」と言われる理由を考察し、それを踏まえて対策も考えていきます。今回の内容を踏まえて、しっかり活躍していきましょう!
✔︎この記事の内容
- 「USCPAは使えない」と言われてしまう理由
- 監査法人がUSCPAを採用する意図
- 使えないと言われないためには
✅本記事のコンセプト:USCPA試験合格・ライセンス取得後、未経験から監査法人への転職に成功し在職中の筆者が、「USCPAは使えない」と監査法人で言われてしまう理由を解説。その理由を踏まえた上で、USCPAが監査法人で活躍していくためにはどうすればいいのかを考察します。読者は二極化するUSCPAの未来のうち、明るい道へ進むための情報を掴むことができる。
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「USCPAは使えない」と言われてしまう理由
監査法人で「USCPAは使えない」と言われてしまう原因は日本公認会計士との比較です。
USCPA試験は決して簡単ではありません。むしろ難関資格に分類されると言えるでしょう。しかし日本公認会計士試験は司法試験と並び、国内最難関資格の1つであり、その難易度はUSCPA試験と比べてもずば抜けて高いです。
日本公認会計士と比べられた時、USCPAが監査法人で評価されないケースには2つ原因があります。
1つはUSCPAが会計や監査に特化した資格試験ではないことです。ビジネスに関する知識を幅広く学習するので、専門性の強い監査業界において必要な知識を備えていないことが多いです。
2つめは、難易度に見劣りすることから、日本公認会計士にとってはUSCPAは取得が容易だと思われがちなところです。
冒頭でも述べたように、これはUSCPAが簡単というわけではなく、日本公認会計士資格が難しすぎるのです。監査法人で働く人の大半はこの日本公認会計士試験に合格した人たちですから、比較されるとどうしても知識が見劣りしがちです。
例えば、以下の知識は監査法人で働くなら必須の知識の例です。
- 会計知識 特に仕訳
- 会社法や適時開示などの知識
- 監査基準の知識
日本公認会計士はこれらをしっかり学習しないと合格できませんので、当然監査法人で働く人たちは非常に高い水準でこれらの知識を持っています。
一方USCPAでは日本基準の学習はしないので、このあたりのコア知識に差が生じてしまうのです。日本公認会計士の人たちにとっては常識である知識をUSCPAが持っていないと、彼らにとっては「使えない」という評価になってしまうのでしょう。
監査法人がUSCPAを採用する意図
USCPAは監査法人で必要なコア知識に不安があるにもかかわらず、監査法人がUSCPAを採用の対象にしているのはなぜでしょうか?
会計知識面が不安な一方で、USCPAは日本公認会計士にないパワフルなスキルを持っていることが期待できるからです。
- 英語力
- グローバル案件に対応できる柔軟性
- 他業界の経験を活かした知見
現代の先進国においては、自国だけで事業を完結させる方が難しいほど、国際社会の繋がりは強くなりました。そんな環境において、監査法人の業務も当然、海外の案件が数多く存在します。
日本公認会計士は英語が苦手な人が多く、国際案件をこなせる人材は常に不足しています。USCPAなら英語力などの海外を相手に仕事をする際に必要な力を持っていることが期待できます。増加する国際枠に対応する人材として監査法人の多くがUSCPAを採用対象にしています。
また、日本公認会計士には劣るとはいえ、USCPAも最低限の会計知識を持っていることを前提として採用されています。基礎的な知識があれば、業務をこなしていくうちに必要な会計知識を習得していくことが期待できるので、その点においてはポテンシャル採用と言えるかもしれません。
まとめると、監査法人がUSCPAを採用する意図は以下の3つになります。
- 人手不足な国際枠の担当
- 基本的な会計知識は持っている
- 他業種での業務経験から得た知見
日本公認会計士とは、採用側の切り口が少し違います。このような意向を汲み取ることができれば、選考を有利に進められると思います。
未経験のUSCPAが転職の際にやるべき準備をまとめています。ぜひこちらも読んでみてください。
使えないと言われないためには
USCPAは日本公認会計士試験に合格する以外で、監査法人への転職が可能になる珍しい資格です。せっかくそのような資格を取得するなら、一度は監査法人で働いてみたいという人は多いはずです。
そしてどうせ働くなら、取得した知識やこれまでの経験を活かして活躍したいものです。
これまでの内容を踏まえ、USCPAが監査法人で「使えない」と言われないためにはどうすればいいのか考えてみましょう。
結論から言うと、基礎力の強化と差別化です。
それぞれ見ていきましょう。
基礎力の強化(簿記、監査六法、監査基準委員会報告書)
監査法人で働くなら、まずは日本公認会計士が当然持っている知識に追いつかなくてはなりません。その代表例が「簿記知識」になります。
最低でも2級、できれば1級レベルの知識がないと、仕事の話についていけません。これでは「使えない」と言われても文句は言えないでしょう。
簿記を勉強したことがなければ、頭の中で自然と正しい仕訳ができるようになることを目標に勉強する必要があります。
簿記に続いて大切な基礎力の源が「監査六法」と「監査基準委員会報告書」です。
監査六法は監査に関わる法規をまとめた書籍で、年1回、日本公認会計士協会から発行されています。
監査基準委員会報告書は監査実務の指針であり、こちらも日本公認会計士協会から発表されています。通称「監基報」です。監基報はネットで内容を確認することができます。
監査六法と監基報の内容は膨大すぎるので、全てを頭に入れるのは不可能です。しかしこの2つは、監査法人で働くには必須の内容です。
✔︎大切なのは、わからない論点にぶつかった時、監査六法や監基報を利用して正解にたどり着けることです。監査六法と監基報の扱いに慣れることも、1つの大事な基礎力となります。
差別化(英語、IFRS、USGAAP)
基礎を固めると同時に、USCPAとして日本公認会計士との差別化を図る必要があります。USCPAの強みといえば、まずは「英語力」でしょう。
最低でもTOEIC800点レベルの英語力を身につけ、スムーズなコミュニケーションが取れるようになっておきたいところです。会計用語や勘定科目の英訳を覚えるのもいいと思います。
差別化において、英語と併せて学習したいのがIFRS(国際財務報告基準)やUSGAAP(米国会計基準)です。
監査法人で働いていると、たびたび「日本基準ではこうだけど、IFRSや米国基準ではどうなのか?」という疑問にあたります。
英語が読めれば、IFRSの原文や米国基準を確認することができます。
このような海外の会計基準に詳しいと、USCPAとして監査法人内で一目置かれるキッカケになるかもしれません。もはや「使えない」なんて言われないでしょう。
コミュニケーションを意識
監査法人も人間の集まりです。最後はやはりコミュニケーションが大切です。
適切な質問や情報交換を意識し、良質な人間関係が築けていれば、自然と学びの多い仕事に恵まれやすくなります。そうなれば自ずと法人内に自分の居場所ができ、活躍の場を持つことができるでしょう。
まとめ
USCPAが監査法人で「使えない」と言われてしまう理由とその対策について紹介しました。
僕はUSCPAは素晴らしい資格であり、監査法人でも活躍できるポテンシャルがあると思っています。ただ、日本公認会計士に混ざって活躍するには、やはり継続的な努力が必要だと感じています。常に学習する意欲さえ持っていれば、必要な知識はついてきます。国際的な案件もいくらでもあるので、監査法人でUSCPAが活躍していくことは十分可能です。
本記事の内容が監査法人への転職を検討している人の情報収集に少しでも役立てば嬉しいです!
ここまで読んでくれてありがとうございます!
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