【取得成功】USCPAがオーストラリア公認会計士へ【相互認証制度】

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USCPAを取得すると他国でも会計士として活動できるって聞いたけど、手続きとか大変そうだな。興味はあるけど、具体的にどうすればいいのかな?

  

パラゴン
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僕はUSCPAからオーストラリア公認会計士を取得しました。USCPAには「相互認証制度」というものがあり、一定の条件を満たすことで他国の会計士登録ができます。僕は現在、海外での独立を目標に活動していること、また、相互認証制度に関する日本語の情報があまりなかったことから、自分でやってみようと思いました。相互認証制度を利用し、他国の会計士登録するという1つの目標が実現に至りましたので、今回は「他国の会計士資格はどんな役に立つのか」や、「手続きの具体的な流れ」などの関連情報を共有したいと思います。USCPAを活用して、世界で活躍する人が増える一助になれれば嬉しいです。

 

✔︎この記事の内容

  • USCPAの相互認証制度とは?
  • オーストラリア公認会計士(CPA)登録の流れ
  • 取得後の可能性は?今後の活動方針

  

本記事のコンセプト:USCPAの相互認証制度を利用し、オーストラリア公認会計士(CPA)の取得を実現できた筆者が、相互認証制度の手続きや流れに関する情報を共有する。今後USCPAを活用し、世界で活躍することを目指している人は本記事の内容を参考にすることで、「他国の会計士資格の取得」を選択の1つに入れられるので今後の可能性を広げることができる。

  

✔︎筆者のプロフィール

会計・経理の知識ゼロからオーストラリアの大学院で会計学を選考。卒業後は現地での就労を経験し日本へ帰国。大学院で学んだ知識と取得単位を活用し、8ヶ月の独学でUSCPA試験に全科目一発合格。ワシントン州ライセンス取得。相互認証制度を利用し、オーストラリア公認会計士(CPA)を取得。現在監査法人にて勤務、USCPAと英語をフルに活かしたキャリア形成を図る傍ら、ブログ・TwitterにてCPAや海外での独立に関する情報を発信中。

 

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TwitterでもUSCPA/海外での独立や関連する有益な情報発信を頑張っています。良かったらそちらもチェックしてみてください!

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USCPAの相互認証制度とは?

USCPAには相互認証制度というものがあります。これは、USCPAの資格保持者が一定の条件をクリアすれば、他国でも公認会計士登録ができるという素晴らしい制度です。

2022年10月現在、米国公認会計士協会(AICPA)と相互認証協定を結んでいる国は以下になります。

  • オーストラリア
  • ニュージーランド
  • カナダ
  • アイルランド
  • スコットランド
  • 香港
  • メキシコ
  • 南アフリカ

ここで疑問となるのが、USCPAの資格を保持している人が他国の会計士を取得する必要があるのでしょうか?何の役に立つのか?USCPAで十分じゃないか?という疑問が出てきます。

USCPAは確かに世界の多くの国で認知されていると思います(資格自体がというより、アメリカの公認会計士といえば、どの国でも一定の評価が得られるという意味で)。

しかしながら、監査や税務など各国の公認会計士の独占業務は、その国の会計士資格がないとやってはいけない事に多くの国で決まっています。つまり、USCPAが他国で活動しようとする場合、知識や能力に問題がなくても、取り扱える業務の幅に大きな差があります。就職するにしても独立するにしても、やはりその国の会計士資格を持っている方が有利なのは言うまでもありません。特に独立を目指すなら、会計士資格の取得は必須になります。

 

オーストラリアCPAを相互認証制度で取得する流れ

僕は相互認証制度を利用し、USCPAからオーストラリア公認会計士(CPA)を取得しました。ここからは、実際に取得まで至った流れを順番に紹介していきます。

 

必要書類を集める

オーストラリアCPAへの申請に必要な書類は以下になります。

  • Letter of Good Standing
  • Congratulatory Letter
  • 学歴証明
  • ID

ちなみに、オーストラリアのもう一つの会計士団体であるCAANZへの登録には、上記に加えCAANZメンバー2人からの推薦(Reference)が必要です。CAANZについては以下の記事でまとめてます。

USCPAを活用してオーストラリア公認会計士を目指す

 

Letter of Good Standing

Letter of Good Standingとは、USCPAの登録をしている州のState Boardから発行される書類で、以下を証明します。

  • 会員登録した日付
  • 会員番号
  • ライセンスの有効期限
  • 試験を突破してメンバーになったこと(他国からの相互認証でUSCPAを取得したのではない)
  • 現在、ライセンスの懲戒などの恐れがある状態ではないこと

Letter of Good Standingの取得の過程は下記の記事にまとめてありますので、参照ください。

各団体への連絡とLetter of Good Standingの発行

連絡して4日ほどで発行してくれたので、こちらは特に問題ないと思います。

Congratulatory Letter

Congratulatory Letterとは、NASBAから発行される試験結果をまとめた書類です。こちらは1回目の連絡は無視されましたが、2回目は24時間以内に発行してくれました。1日経っても反応がない場合は、再連絡することをオススメします。

Congratulatory LetterをNASBAに依頼⇒https://nasba.org/contact-us/

学歴証明

オーストラリアCPAへ申請する際に、学歴証明を提出します。CPA Australiaには「Foundation exams」という履修必須の基礎科目が設けられており、申請者が履修済みであるかの確認がされます。下記の科目の履修が必須となってます。

  • Accounting System and Process(会計システム)
  • Economics, Quantitative methods(経済学、統計学)
  • Business Law: comprised of Commercial Law and Corporations Law(商法:会社法含む)
  • Finance and Financial Management(ファイナンス)
  • Financial Accounting and Reporting: comprised of Financial Accounting and Theory(財務会計論)
  • Management Accounting(管理会計論)
  • Auditing(監査論)
  • Taxation Law(租税法)

おそらくUSCPAを取得している人なら、これらの科目は履修済みと判定される可能性が高いと思います。ただし、法律科目(会社法、租税法)はそれぞれの国によって固有のものであるため、追加の履修を要求される可能性はあります。ホームページで確認しましたが、履修が認められるかの判断基準は明確でなく「recognised by CPA Australia(CPAオーストラリアが認めるもの)」という記載になっています。

ID

パスポートが無難です。

 

申請の流れ

CPA Australiaへの申請は下記リンクから行います。基本的に、ウェブサイトの流れにしたがって情報を入力していけばオッケーです。集めた必要書類もここでアップロードすることになります。

⇒通常の申請

⇒相互認証制度による申請

申請が完了すると、結果が出るまで10日ほどかかるとの連絡が来て、Application StatusがIn Progress(審査中)になります。入力した内容に不備があったり、提出書類が不足している場合はその指示がメールで送られてきます。

注意点:CPAオーストラリアは、USCPAが各州にて情報管理されていることをイマイチ理解していないと思います。そのため、Letter of Good Standingや試験結果はAICPA発行のものを要求される可能性が高いです。ですが、ほとんどの日本人USCPAはAICPAには登録していないと思いますので、Letter of Good Standingはライセンス登録をしている州の団体(State Board of Accountancy)に発行を依頼します。さらに試験結果を発行できるのはNASBAでありAICPAではありません。この事を理解してもらうために、下記の説明メールを送ることで何とか理解してもらえました。

Also, please note the below regarding the documents.

1. AICPA is not the organisation that issues the result of the exams, but the National Association of State Board of Accountancy (NASBA) is.

So the exam result letter issued by NASBA is uploaded.

2. AICPA is not the organisation that those who have passed the CPA exams registers himself as a CPA, but the State Board of Accountancy is.

So the letter of good standing, which demonstrates the status of my CPA membership, issued by Washington State Board is uploaded.

The US accountancy board organisation system is a little complicated because the member information is not held by AICPA but by each state board.

要はUSCPAの管理はAICPAではなく各州でされていること、試験結果はAICPAではなくNASBAから発行されることを説明しています。CPA Australiaではこれらの書類がAICPAから発行される認識なので、一手間ですが説明が必要になるかと思います。(USCPAから申請するケースが増えれば将来的には認知されるかもしれませんが)

このメールを送って1時間で審査が完了したとの連絡があり、Application StatusがCompleted(完了)になりました。あとは登録費用であるAU$718(高いですね)を支払えば、晴れてCPA Australiaのメンバーシップへの登録が完了します。

 

おまけ:CPA Ausを取得後の活動方針

ここからはおまけですが、僕がなぜオーストラリアの公認会計士を取得したのかを共有しますので、他団体の会計士資格に興味がある人は参考にしてもらえると嬉しいです。

日本や米国もそうですが、会計士として独立するにはその国の公認会計士登録が必須なケースが多いです。USCPAとして考えると、「日本はダメ、しかしながら米国は移住のハードルが高すぎる、でも独立はしたい」という状態でした。

相互認証制度に興味はありましたが、参考にできる情報が見当たらなかったので自分が利用可能なのかわかりませんでした。会計士団体のHPを読んだり自分で直接団体に問い合わせたりして調べた結果、オーストラリアの条件はクリアできるのではと思いました。また、オーストラリアは住んでいたこともあり馴染みがあるので、もし取得できた時に、海外での独立を最初にチャレンジする場所として、自分にとって最も適切だと考え、申請に至りました。

冒頭でも説明したとおり、オーストラリアではオーストラリアの会計士団体であるCAANZかCPA Australiaへ登録していないと、独立して会計士として活動することはできません。CPA登録ができたことで、正式にオーストラリアで開業する権利が得られたことは大きなステップだと考えています。

僕は現在は日本で働いでますので、オーストラリアで事業申請したらまずはオンラインベースから始めてみようと思ってます。可能性が拡がるようなら、渡航することも考えたいと思います。

 

まとめ

相互認証制度を利用しようと思ったとき、あまり参考になる情報がなかったことがキッカケとなり、自分でやってみました。僕の場合はオーストラリアCPAですが、その他の団体への申請もおおむね同じ流れなんじゃないかなと思います。

世界で活躍するUSCPAが増えれば資格の価値ももっと上がると思います。相互認証制度に興味がある人にとって本記事が少しでも貢献できれば嬉しいです!

 

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ここまで読んでくれてありがとうございます!

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